第249話 神になった者
現在、私たちは実験用マウス一号の艦「カピバラン」に乗っている。
「豪華だにゃ・・・
キティルハルムは、質素にゃ。」
「ああ。
リシテアールの指令室も広いが、この豪華さはないな。」
リケちゃんとアルナスが、率直な感想を述べる。
「君らが、王族・上級貴族なのに、質素なんだよ。」
ぶすっとする、実験用マウス一号。
「あちしは、もともと彫刻家の娘にゃ。
母ちゃんが、「商工ギルドマスター」として、初代評議員と呼ばれるようになったのは、大分後にゃ。」
リケちゃんは、左手の爪を伸ばして磨いている。
「まあ、子孫たちも、よくもここまで、アホやったモンだにゃ。
王家の方々が見てる前で。」
しみじみと言っている。
「って・・・君・・・
キティルハルムの「原種」!?」
「そうだにゃ。
神様とウチの国民が、「和解」したとき、その余波で蘇生して、その神様にリシテアールの「平和の神」に任命されたにゃ。」
「初めて見た・・・
「人」から神になった者を・・・」
「ところで、どこいくにゃ?」
「君らが、第六惑星と呼ぶ場所の中枢・・・
確かめるのさ・・・
ご主人様・・・
「超魔王ガルアレート」の異変の正体を・・・
ご主人様からは、複数の異様な神波動を感じる。」
一級貴族
キティルハルムでは、王家の第二子以降は民間に降嫁するか独立する。
そうして「独立」した王子・王女は「一級貴族」として活躍する。
彼らは、得てして各評議員の家系に匹敵する専門家としての能力を持っていることが多い。




