第2469話 自分が欲しいものを相手に渡しても・・・
「いやあ・・・
思った通りになった。」
銀河連合の将校ヤン・ウォーリーは、お茶を飲んだ。
なぜか、隣の席に列席しているのは、バステト神だった。
「なぜにゃ?」
「聞くところによると・・・
あの御仁・・・
仕事人間で、かなりのオタクだとか。
子供の頃から、恋愛にも興味がなかったらしい。」
「でも、結婚して子供が五人もいるにゃ。」
「結果的に今の亭主をつかまえて、子供が五人いますけどね。
それも、「キティルハルム第一王位継承者には、結婚の義務がある」という法に従ったのと、相手が自分の「同類」だったからですよ。」
「はあ・・・」
バステト神は、ため息をついた。
「それに、キティルハルムは「時間外労働」は「悪」ですし。」
だから、「余計な仕事は」したくないのだ。
「でも・・・
困ったにゃ。
「神帝」・・・
人間だったら、すぐ飛びつきたくなる話だと思ったにゃ。」
「ご無礼を承知で言いますけど・・・
ソレ・・・
「上から目線」の偏見です。
同じ人間だって、「恋愛が当たり前」のヤツが「お前、彼女いねーの?かわいそう!」って相手に言っても、「なにそれおいしいの?」となることがありますよ。
事実、かつての地球の首都日本も、それで少子化の対策が進まないことがありましたよ。」
「うーむ・・・」
そう。
「自分が欲しいもの」を相手に与えて喜ぶかという話だ。
そんなこんなで、発言権のある神々が、意見を出し合い、会議を進めていく・・・
「では・・・
とりあえず、このような日程でよかろう。
それならよかろう?」
ゼウス神がミリアム女王に問う。
「はい。」
こうして、「神族評議長」選挙の日程が決められ、会議は終わった。
バステト:今度、故郷のナイルで大魚を釣りにいくにゃ・・・




