第2465話 票割れ・・・神帝はどうなる?
神界・オリンポス山・・・
「今度は、稲荷町の祭主とその御曹司だ。」
プロメテウス神が、ため息をついた。
「さすがですね・・・
リケ神の差し金でしょう。
あの辺りの神々は、ほとんど「人間」。
ゆえに、人間の票を奪うことも考えられます。」
アテナ神は、目を閉じた。
「やはり、クソ真面目な人をスカウトするのが間違いだったのでしょう。」
「ヘタをすれば、人間からの突き上げがキツくなる。」
二柱は、顔を見合わせ、ため息をついた。
「オーディーン様なんぞは、「人間なんぞどうにでもなる!」と息巻いておられる。」
プロメテウス神がは、ジト目で言う。
「先の大戦も、「人間の力」による勝利でしょうに。」
困ったことに、ミリアム女王には欲がない。
自身の仕事と、興味のあることには突っ走るが、それ以外には手を出さない。
「なまじっか、「中道」をいっておる女王だからのお・・・」
ゼウス神が、「どっこいしょ」と石段の上に腰かけた。
「なんでも・・・
少なくとも「明らかに無理な限界突破は、しない」という教えだそうだ。」
「どおりで、ミリアム女王といい、アルナス卿といい・・・
無欲なはずです。」
ゼウス神の言葉に、アテナ神がうなずく。
「一度、人生を終えると・・・
慎重になるのかのお・・・」
それは言えるだろう。
「さて・・・
オーディーンのヤツをどう説得するか・・・」
悩むゼウス神。
よもや、その人間の提案が出てくるとは、思ってもみないのであった。
リケ神の「切り崩し」が、功を奏しています。




