第2458話 地獄界
何もない荒野・・・
ここに、門がある。
「どれどれ・・・
「おいでませ地獄界」・・・
なんだにゃコレ・・・」
リケ神が、呆れかえる。
「うーん・・・
「ここを通る者、全ての希望を棄てよ。」だったと思うし?」
風呂敷包みを担いだアロームが、ジト目になる。
惑星神一行は、門をくぐる。
その向こうには・・・
ナイル川を思わせる河が流れており、岸にかなり頑丈そうな船が停泊していた。
「お待ちしておりました。
「キティルハルム連邦惑星神組合」の方々ですね。
わたくし、アケローン河・・・
通称「三途の川」の渡し守の長・カロンと申します。」
地獄の住人にしては、血色がいい。
「うーん・・・
お金はいらないにゃ?」
ニケ神が尋ねる。
「問題ありません。
方々は、死してここに来られたわけではなく、冥神ハーデス様や超魔王サタン様に会見にこられたのですから。」
さそわれるままに、船に乗る一行。
「さぞかし驚かれたでしょう。
この「地獄界」には。」
カロンが、船の舵輪を握って言う。
「正直、おどろおどろしいモンを想像してたにゃ。」
リケ神が応える。
「あんなもの・・・
宗教家の欺瞞ですよ。
この地獄界にくる死者は、「怨念」が凝り固まったような者たちばかりです。
あ・・・
そうそう・・・
悪魔たちが、「餓鬼」たちを召喚して使役してくださったこと・・・
感謝していましたよ。
彼らは、あれで浄化・転生ができたって。」
「リケ様も、いいことしてるし。」
一言余計なアロームだ。
やがて、向こう岸に着く。
「さて・・・
めざすは、超魔王サタン閣下とハーデス様の座所・・・
最深部のコキュートスにゃ。」
地獄界です。




