第2439話 禁断の薬
ゴオオオオオオオオオオオオオンッ!
自軍の艦がまた沈む・・・!
気が付けば・・・
旗艦だけとなっていた。
「オ・・・
オルゴデミウス様・・・
た・・・
退避・・・
ぐはッ!」
オペレーターが、艦橋の爆発で全身を砕かれ、即死した。
「お・・・
おのれ・・・ッ!
ゼウス!
おのれ・・・ッ!
ミリアム女王ッ!」
怨嗟の声で、うめくオルゴデミウス神。
「かくなるうえはッ!」
オルゴデミウス神は、提督席の脇にあった段ボール箱から小瓶を出す。
神酒を思わせるそれは、こともあろうに、甘露だった。
多くの者を、文字通り破滅に導いた「魔薬」である。
それを、片っ端から飲み干す!
「ただでは死なんッ!
あの傲慢なジジイや、無宗教の猫女王をくびり殺すまでは!」
オルゴデミウス神の全身から、無数の触手が生え、機械類に融合していく!
「くくく・・・
進化だ・・・!
いや・・・
そんなものは生易しい!
「神化」だ!」
ミリアリア艦橋・・・
「陛下!
オルゴデミウス艦より、不穏な神波動を感知!
これは・・・
「邪悪」な混沌神波動にゃ!」
ナキが、悲鳴をあげた。
「これは・・・
ありったけの甘露を使ったわね・・・!」
不気味だ。
先ほど感じた不安は、これだったか!
「ええいッ!」
私は、術を展開する!
「原子崩壊!」
これは、対象の原子を崩壊させる大技だ。
魔法転移装置で、オルゴデミウス艦にむかったそれは・・・
いきなり掻き消えた!
「何かしたか?
クソ猫?」
不気味な声が、艦橋内に響いた!
禁断の薬です。




