第2426話 平和神は、敵に容赦なし
デミウルゴス艦・・・
「く・・・
クソッ!」
デミウルゴス神は、憤慨していた。
リケ神が最初に放ったのは、「電柱」だ。
それも、人間の街に普通にあるヤツだ。
ご丁寧に「自作」らしく、自前の工場で大量生産しているらしい。
しかも・・・
自筆で様々な言語で、「電柱」と書いてある。
「あの神は、アホか!?
たかだか電柱に、そこまで手の込んだことをするとは・・・」
そればかりではない。
「花崗岩」・・・
「オリハルコニウム徹甲弾」・・・
「アイアルコン弾頭」・・・
「劣化ウラン弾(かなり劣悪な手抜きの放射能コーティング)」・・・
次々と・・・
しかも徐々に、強力な弾頭にシフトしつつ撃ってくる・・・
ただでさえ、外殻装甲が毒ガスで腐食しているのにも関わらずだ。
「リケ・ミケランジェロ・・・
いくらか存在する猫神の一柱とは言え・・・
人間出身の若輩と思って、ナメすぎたかッ!」
デミウルゴス神は、拳をコンソールに叩きつける。
そこから血が出るが、気にはしない。
「くそッ!
甘露の再生神波動の浸透はどうなっておるッ!」
そこに、一縷の望み託したデミウルゴス神だが・・・
「ダメです!
破損個所は、再生する傍から、キティルハルム艦隊に完膚なきまでに破壊されています!」
そのときだった。
モニター画面に、リケ神の顔が映ったのは。
「にゃーははは!
お気に召したにゃ?
あちし特製の「直筆サイン入り」の電柱は。
リケ神殿直営工場で生産された、レアものにゃ!」
「どーいう趣味だ!?
このクソ猫!
神なら神らしく、普通の神像や美術品でもコレクションしておれ!」
それを聞き、リケ神はにんまりと笑った。
「それ・・・
「悪趣味」って言うにゃ?
でも誉め言葉にゃ。
宇宙には、どーいうわけか・・・
相手に「刺さらない」悪口を言って、怒らないのを見てキレるバカが多いにゃ。」
そこで、真顔になる。
「あんたら邪神様は、死ぬほど迷惑にゃ。
容赦なしにゃ!」
リケ神は、親指を立て・・・
びっと、下に向けた!
ふつう、あんなことされると・・・
こうなりますよねえ・・・




