第2411話 偽の楽園攻略作戦
要塞空母艦オリンピアード・ブリーフィングルーム・・・
「まず、これがノワール率いる「ヤルタバード艦隊」です。
これを突破しなければ、邪神デミウルゴスと邪神オルゴデミウスにまで、手は届きません。」
私は、天井に英知の爪から投影される艦隊分布図を見ながら神々や司令官たちに説明をする。
「うーむ・・・
とにかく・・・
ノワールは、脳波操縦の遠隔艦隊と、同様の「機械天使」ならぬ「機械邪竜」を配備しておるのですね。」
アテナ神が、興味深げに映像を見上げる。
「ふむ・・・
当座の「大将首」のノワール・・・
その者について、本来は子孫であるお主はどう見るのだ?」
オーディーン神が、尋ねてきた。
「何度か戦っているので、戦術やクセはわかります。
が・・・
だいぶ「禁断の果実」を食しているため、戦闘力は並の「神」ではかなわぬほどかと・・・」
「それに・・・
彼女が「司書女王」と称された事実にも注目したいね。
初代女王ノワール・・・
彼女は、「キティルハルム王立図書館」の設立者とされる。
現代のリシテアール連邦の魔法のほとんどは、彼女や弟子の編み出したものとされる。」
ヤン・ウォーリー提督が言う。
「こざかしい!
ヤンとやら!
そのクソ猫は、ハルカ博士やジョルジュのように「不死の法」とやらを駆使して、甘露の副作用を緩和する術を使うとでも言うのかッ!?」
オーディーン神は、ヤンを見た。
「可能性の話ですよ。」
涼しい顔で、「あ「缶」」と書かれた缶のジュースをあおる。
「ありうる話ですぞ。
彼女は、古の科学技術を継承していますから。」
私が言う。
「ならば、小細工はなしですね。
つまり・・・
「全艦隊」で陽動。
「キティルハルム艦隊」「リシテアール艦隊」で突入してください。」
アテナ神が微笑みながら言った。
最後の「壁」に!




