第2406話 危険思想
「でもね・・・
そこから先は・・・
君にとって危険だよ。」
司書神様が言う。
「私は、どうでもいいのです。」
幼ハルカ博士が応える。
「言い直そう。
「世界」や「宇宙」にとって危険だ。」
そこで、幼ハルカ博士は、年相応の笑顔を浮かべる。
「ああ・・・
そう言ってくださる人は、誰もいなかった。」
ようやく、「そこ」に触れる者があらわれたかという感じだ。
「・・・
自分のことを後回しにする人に、「自分のこと」の忠告は、功を成しません。
他人か、家族のことを言いませんとね。」
「やたら詳しいのお・・・」
ゼウス神が、私を見る。
「私自身、「そんなヤツ」でしたからね。
実際、結婚しないヤツに、「お前のために言ってるんだ」系は、通じませんよ。
まあ・・・
「テンプレ」では、「これで人口減が進んで人類の絶滅が近付く」くらいが、ようやく手の届くところです。」
「わかっておられますね。」
ハルカ博士が言う。
「気にしていないことを悪口で言うのも、ダメですね。」
向こうの、幼ハルカ博士と司書神様を見る。
「めんどくさいことを悟ったね君・・・」
「はい。
こう見えて私・・・
人のために働く身ですし。」
「だが・・・
あまり好意をはねのけるモノではない。
それは・・・
危険思想だ。」
そこで、ハルカ博士は、ふっと笑う。
「わかっておいでだったのですね・・・
智の殿堂の神は・・・」
そこで、視界がもとに戻る。
「さあ・・・
女王ミリアム!
今度こそ決着をつけましょう。」
「ですね。
私には・・・
この課題をなんとかする義務がありますゆえに!」
そういうモノです・・・




