第2398話 邪教主
「ここかにゃ・・・
最終隔壁は・・・」
ナキの表情は、不気味な笑みを浮かべた凶悪なモノとなっていた。
「おりゃあああああああああああッ!」
武器を使わず、ただの「神波動強化パンチ」で砕くナキ。
「バ・・・
バカな!
ヒヒイロカネ製の隔壁だぞ!?」
教主イスキリが狼狽した。
「こんなの「紙」にゃ。
陛下だったら、これを連続で並べて間に神波動盾を展開していても、10枚くらい一度にぶち抜くにゃ。
上には上がいるにゃ。」
ナキは、ぽきぽきと指を鳴らす。
しかし・・・
ぼきッ!
「痛いにゃ!
折ったにゃ!
教主イスキリ!
お前のせいにゃ!」
回復魔法で治療しながら、涙目で責任転嫁する。
明らかに違う。
「どうでもいいが、これに限っては「自己責任」だろうが!」
イスキリがツッコむ。
当然だ。
「よくもやってくれたな!」
「当然にゃ。
我らキティルハルムの民は、今でこそ「神」は好きだけど・・・
「宗教」は機雷にゃ!」
「字が違う!」
どうでもいいツッコミ。
「さらに・・・
ミケランジェロ一族当主の家系は・・・
「宗教審問官」にゃ!」
宗教審問官・・・
かつて、キティルハルムは「宗教」を「神への反逆」として禁じてきた。
「この時代・・・
邪教に限っては・・・
このナキ・ミケランジェロが審判を下すにゃ!」
「このイスキリ・・・
エホバ神の子・・・」
「ただの「人間」にゃ。」
キティルハルムの民は、宗教戦争を最も嫌うことで定評がある。
「フンッ!
オーディーン様のほうが、まだ物わかりがいいにゃ!」
ナキとイスキリが同時に印を結んだ。
いるんだ・・・
ぽきぽきやって、骨折るヤツ・・・




