第2346話 キティルハルム一級貴族考察
銀河連合首都・地球・・・
「むう・・・
これだけか・・・
「特殊機」に対応できる者は・・・」
銀河連合軍提督ラインハルトは、アキツ艦長古代や艦隊司令ヤンの報告を聞いて、頭を押さえた。
「そうは言っても・・・
少なくともアキツには、斎藤開始隊長以下数名の「航空騎兵隊」の三名しかいないのですが。」
古代が言う。
「ええ。
私の直属の精鋭薔薇騎士隊の隊長のシェルコップくらいですか。」
ヤンが、紅茶を飲む。
今回の「味付け」は、キティルハルム王太子ユニティアの新レーベル・ノンカロリーのユニィシロップらしい。
弟子のユリアンにすり替えられたようだ。
「ともあれ・・・
「地球人」には、人間族が多く・・・
対応しにくいようだ。
しかし・・・
ヤン提督。
キティルハルムには、ずばぬけて対応できる者が多いようだが・・・
理由は卿にはわかるか?」
ヤンは、あごに手を当てて考えるが・・・
少しして、結論を出す。
「大部分が、「一級貴族」ですね。」
「「一級貴族」?」
ラインハルトが、オウム返しに尋ねた。
「キティルハルムは、他国の王族と「政略結婚」をしてこなかった珍しい国家です。
常に、王や女王の配偶者は国民からですので、「遺伝子の国民への還元」とでもいいますか・・・
王位継承者以外は、「国民扱い」となります。
それでも、優秀ですので、各分野で才能を発揮します。」
さすが、「歴史家崩れ」と称されるだけのことはあり、勉強しているようだ。
「中でも、「騎士」を輩出する「アルム家」や「絵師」を輩出する「ニナ家」が有名ですよね。」
古代艦長が補足する。
「そうさ。
どうやら、これはキティルハルムの建国期からの「国力増強策」だったらしい。
「古代文明」と呼ばれている時代の科学知識を大量に抱えていたようだし。」
ヤンは、古代に返答する。
「強いわけだ。」
ラインハルトは、書類に何かを記すと、ヤンに渡した。
「戦略局に送れ。」
「また「無茶ぶりを」とか言われますね。」
ヤンが苦笑した。
「フン!
卿の苦笑を、ただのふざけた「ヘラヘラ笑い」だとさげすむ政治屋共よりマシであろう!」
ラインハルトは、少しむくれた。
ミリアム:一級貴族って・・・
珍しいんですよね。




