第2343話 トラルティールにて
トラルティール、開発ミーティングルーム・・・
「あの~・・・
勇者たちに、「特別機」を与えるのはわかりますけど・・・
なんで私にも?」
黄金騎士から神聖騎士に昇格したアリス・ワンダーランドが、そのうさ耳をせわしなく動かしながらアルナスに尋ねた。
「他に使えそうなのが君だけだった。」
あっけらかんとアルナスは応えた。
「同じ神聖騎士にも・・・
人熊系や人獅子系とかいますけど・・・」
「そんなもの、ただの「身体的能力」だろ。
「準亜神」や、その素質のあるものでなければならん。」
実のところ、人兎のアリスは、実のところ・・・
すばしっこいことと、神波動潜在能力に優れていた。
「しかしなあ・・・
最近の騎士はたるんどるよ。
獣人系や混雑種だからといって、その「生来の力」に頼り切って・・・
君のように、工夫はできぬのか・・・」
アルナスは、左腕をまくりあげ・・・
そこだけ、人狼と竜族の力を発現させた。
「君なら・・・
この毛皮と鱗を破るには、どうする?」
仮にも「亜神」のそれに対して、できる訳ではないのだが。
「えっと・・・
神波動を集中して、超スピードで殴りつけるか、斬りつけます。
他に方法がないので。」
「ふッ・・・
合格だ。」
元に戻し、腕をしまうアルナス。
「だが・・・
大半の黄金騎士は、「パワーでぶち破る」という答えを出したものばかりだ。
それでは、人外の敵には勝てんよ。」
トラルティールは、「多種族国家」。
そういうものも多い。
「とにかく・・・
「特別機」を扱うのには、身体能力はあまりモノを言わん。」
アルナスは、情報版の情報を精査し始めた。
トラルティールでは、アリスが有能でした!




