第2340話 やってくれた!
猫座銀河中央・偽の浄土・・・
その外苑・・・
「なるほど・・・
相手も「邪神」とはいえ「神」。
これほどまでに、勢力を拡大していたとは・・・」
偵察に来ていた韋駄天が、言う。
「うむ。
ヤツらは、とんでもないヤツらに目をつけたものよ。
よりによって、「暗黒創世神」の一派を引き込もうとは・・・」
ヘルメス神が偽の浄土を凝視した。
「しかし・・・
我らが神族の「失敗作」を持ちだそうとは・・・」
「暗黒創世神」・・・
ブラックホールの向こうの世界・・・
そこは資源のない世界。
かつて、この世界にとって代わろうとする「邪神」たちを相手に、神々と人類は手を携えて戦ったのだが・・・
「・・・と、いうことは・・・
ヤツら・・・
「暗黒創世神」すらも「使い捨て」にする気かもしれん。」
「なにゆえですか?」
ヘルメス神に、韋駄天は尋ねた。
「甘露程度の副作用・・・
あんなもの・・・
一部の再生した悪の大魔王くらいなら、ある程度抑えられる。
だが・・・
偽の竜との組み合わせはどうだ?」
ヘルメス神の言葉に、韋駄天は仰天した。
「た・・・
確かに普通の人間相手なら、「無双」できるやもしれません。
が・・・
亜神や準亜神・・・
ましてや、守護の竜級の敵を相手にすれば・・・」
「そうだ。
あの「ミケランジェロ」のような末路になる。
もとの「装着者」同士が、普通の「人間級」であってもな。」
ゾッとする韋駄天。
「で・・・
では、私は上位神に報告を!」
「うむ。
私は、人間たちに勧告を出しておこう。」
韋駄天は、そこから消える。
「さて・・・」
ヘルメス神は、「あること」をしてから消える・・・
そこへ・・・
「ふむ・・・
神々が、見ていましたか・・・」
そこに現れたのは、超魔王ハルカだった。
「ふむ。」
少し、手を伸ばす。
びりッ!
電撃のようなショックが、彼女の手に走った。
「くくく・・・
やってくれた!
やってくれました。
さすが、「神」です・・・」
「神」は、ただでは帰らないッ!




