第2337話 ジョルジュ・バーストディストラクター
「こ・・・
これは・・・
混沌神波動!?」
ライル二世は、目に見えて動揺していた。
「デミウルゴス様は、神々が混沌神波動の修行を始めたと言っておられたが・・・
本当だったかッ!」
ジョルジュは、キャノン砲に剣呑な神波動を充填していく。
「これまで・・・
僕らは、「神」に迫る兵器を開発しまくってきた。
でも・・・
正直、この理論の兵器は誰であれ、開発してほしくないと思ってるね・・・」
これまでの経緯から、ジョルジュが何をしようとしているか悟ったライル二世。
「核分裂・・・
核融合とくれば・・・
次に来るのは・・・」
すっと目を閉じ、かっと見開くジョルジュ。
「「核崩壊」だよね。」
どうやら、この砲はただの「神波動・魔法」射出砲のようだ。
だが・・・
「ぐおッ!?」
ライル二世の全身の力が抜ける!
「今になって・・・
甘露の副作用かッ!」
それを見逃すジョルジュではない!
「僕は・・・
陛下のように慈悲深くないのでね!」
呪文を唱えつつ、充填していく!
「ジョルジュ・バーストディストラクター!」
そのエネルギーは、ライル二世の胴を貫いた!
「う・・・
うおおおッ!」
かつてミリアム女王が、手さすびで書いたスペオペ小説・・・
その兵器に、「分子破壊砲」があった。
「無駄だよ。
今の君は、甘露の副作用で、遺伝情報崩壊が進んでいる。
根性で立て直そうとしても・・・
崩壊が進むだけさ。」
ジョルジュが言う。
「き・・・
きさま・・・
過去の悪行・・・
忘れたとは・・・」
言いかけて、ライル二世は消滅した。
キティルハルム王宮・・・
「ふッ・・・
過去の悪行?
今はどうなんでしょう?
過去の悪行が残る人は・・・
再び、その悪行を成すのが「義務」とでも?」
ミリアム女王が、モニター画面を観ていた。
「まるで、平和維持行動をしていた大国が、途上国によく言われていたような言い草だな。」
アルナスが、肩をすくめる・・・
分子破壊砲!?
ぶっとんでる・・・




