第2332話 意外と知られていたようだ
「こうして対峙するのも、何かのめぐり合わせということか。
これでも私は、あなたのことを「生前」から知っていたのでね。」
偽の竜・ライルは、キャノン砲を手に、守護の竜・神鼠を見る。
偽の竜・ライルは、両肩に「イルカ」の頭のオブジェがある。
「まあ・・・
僕は、古代文明が滅びて・・・
キティルハルムが、ノワール二世の時代になるまで、パスキールでリシテアールを「観て」いたからね。
この口ぶりでは・・・
ライテス君やミリアム陛下、アルナス卿よりも先に、僕を警戒していたようだね。」
「ああ。
なにぶん、当時の技術では「超魔王」軍にはかなわないことはわかっていた。
当時の私の技術は、当時「最先端」だといわれていたが・・・
最低でも、古代文明の水準に達しないと無理だということは、はっきりとな。」
じゃきッ!
守護の竜・神鼠が、キャノン砲を構えると同時に、偽の竜・ライルの両肩の「イルカ」も口を開く。
「そ・・・
そうかッ!」
ジョルジュの脳裏に閃いたものがあった。
「君の遺した・・・
「星の海を往く船」の予言・・・
あれは・・・
君自身が、その技術の基礎をつくっていたという証明か!?」
「そうだ。
偶然にしちゃ、できすぎだろ?
「羅針盤」の精密機器版の「羅針儀」・・・」
そう・・・
かつて、ジョルジュが、戦艦ミリアリアの建造に立ち会ったとき・・・
ファクトリアは言っていたのだ・・・
「いくら技術を発展させようと・・・
「羅針儀」の応用技術の「電子羅針儀」は、その基本をまったく変えていないにゃ。
恐れ入るにゃ・・・
航海王ライル二世というお方には・・・」
と・・・
ライルと「イルカ」・・・
ちょっとしたダジャレです。




