第2331話 伝説の航海王
キティルハルム王宮・・・
「陛下ーッ!」
チルド・スパコーンが、全力疾走してきた。
うむ。
すっと脚を出す。
すると、彼女は空中でくるりと回転して、ふわりと床に着地した。
ちッ!
電算機のくせして「身体」で覚えやがって!
「廊下は走るなッ!
偽の竜確認!
ジョルジュが行ったわよ!」
「陛下・・・
聞こえたで・・・
「ちッ!」って言った!」
「気のせいだろ。」
アルナスが言う。
「ただなあ・・・
今回の相手が、イルカを象った偽の竜のようだ。」
かしゃかしゃ・・・
チルド・スパコーンが、計測を始める。
「あ~・・・
たぶん・・・
ライル二世やで。」
それは、私も想定していた。
「伝説の航海王・・・
王太子時代から、「自己流」で航海術と造船法を編み出した天才や。」
そう・・・
だから手ごわい。
そういえば・・・
長女のユニィの名の由来も、彼女の「航宙王女」の二つ名も、彼に由来している。
ただ・・・
「次に出たのは、ジョルジュ閣下やで。」
宇宙空間・・・
そこで、守護の竜・神鼠と偽の竜・ライルが対峙していた。
「おや?
この私の相手は、宇宙船乗りの王女だと思ったのだが。」
「できれば、僕らもそうしたいさ。
でも、あいにく守護の竜の在庫がなくてね。」
ライル二世は、いきなり皮肉をぶつけてきた。
伝説の航海王!




