第230話 機巧の大魔王・・・その真価
ありえない・・・
リリエラは、愕然としていた。
「『アレ』を寄越せ!」
『はい!』
ファルスの命に従い、いくつかオプションが射出される。
それは、全身に・・・
そして、両肩に装備され、無骨な装備となる。
「グレートファルス・完全型だ。
全身に、神波動結界発生器と、小型化された神波動閃熱砲、神波動連射砲を搭載・・・
更に・・・」
グレートファルスは、巨大な神波動銃と、神波動盾を受け取る。
「このような武装を持っている・・・」
「も・・・もう何もいらない!
私は、あなたに拒絶されたら・・・」
リリエラは、コクピットで泣きわめく・・・
「じゃあ、なんでオレに「拒絶」されるか、考えたか?
ライテスの野郎は、アホで美味い酒をくれたぜ・・・
ミリアムの奴とは、大食い勝負をしたり、味噌汁を奴の家族と一緒に飲んだりしたな・・・」
「なんで、「敵」なのにそんなことができるのよ!」
「『オレ』がどんなヤツか、理解したからだ。」
「わかんない!」
リリエラは、神波動ビームを乱発して、突進する。
「ライテスの奴とは、最後まで敵だった!
けど・・・
一緒に夜空を見て・・・
美味い酒が飲めた・・・!」
グレートファルスの装甲が、ビームをはじく。
「うらやましい!なんで!」
「その思考停止が、いけねえんだよ!」
リリエラの暗黒神波動が、暴走を始める。
「やべえ・・・
止められねぇ・・・
やるっきゃねえか・・・!」
ファルスは、なぜかリリエラをなんとか「更生」させたかった。
「ヤキがまわったぜ・・・
オレもよ・・・!」
しかし・・・
「手遅れだぜ・・・
ホント・・・
「死んでも」治らなかったな・・・!」
神波動ライフルに、神波動を注ぎ込む。
「あばよ!」
最初に『殺した』時と違い、『哀しみ』が彼の心を支配していた。
一条の光が、宇宙に輝いた・・・




