第184話 宮中年越し晩餐会
宮中年越し晩餐会。
それは、もともとキティルハルム初代女王ノワールが、家族だけで内輪で開いていた飲み会に端を発している。
国家行事ではないので、堅苦しいものではない。
が、不意に国民の誰かがきたり、ミケランジェロ家の社長の誰かがきたりである。
つまり、王家が主催するだけのただの晩餐会だ。
「にゃーははは!
うまいにゃ!
この古代鮫最高にゃ!」
リケちゃんが、テンションアップしている。
「この板メシが美味い・・・」
「誰だにゃ!ナマズにイクラ詰め込んだ奴は!」
なんか・・・
変な料理を作った奴に、それに突っ込みを入れるミケランジェロ家のお嬢さんがいたりする。
「えっ!?
子持ちチョウザメのパクリ!?
ネタとしては最低にゃ!」
私には、思いつかん・・・
まあ、この晩餐会の醍醐味は、王家の者はいつでも入浴し、最低六時間は眠ってよいというところ。
もちろん、参加者もその辺は自由。
王宮の騎士・侍女・使用人用の浴場を自由に使用し、仮眠がとれる。
非常にオープンである。
「う・・・うまいにゃ!
七面鳥の唐揚げは!」
リケちゃんが、騒いでいる。
「ふう・・・」
私は、サンルーフのベランダに足を運んだ。
「おや・・・
お一人で、たそがれていますか?」
声をかけてきたのは、イリアだった。
「ちょっとね・・・」
「少し、ご相談に乗っていただきたいことがありまして・・・」
「わかってるわ・・・
その「瞳」のことね・・・」
さすが、ミリアム・・・




