第153話 年末
ああ・・・
いそがしい・・・
私は、執務室で、評議会の決済の書類に紋章印を捺していた。
めくら判!?
無礼なことを言うな!
ちゃんと、目を通してるぞ!
と、言ってもオ○Qのように眼球を通したりしないが。
ただ、この「決済」という仕事の楽しいことは、「紋章印」のデザインが、初代女王陛下のアニメ風デフォルメ肖像で、かわいいことなのだ。
ただ・・・
国や人によって、ツッコミがある。
税金・・・
よし・・・
王立学校・・・
よし・・・
宇宙軍予算・・・
よし・・・
航空宇宙局予算・・・
よし・・・
うーむ・・・
予算関係が多いぞ・・・
仕方がないか・・・
初代女王ノワール陛下も、かつては「家計簿」をつけていた主婦のようだったらしいから・・・
な・・・なるほど・・・
キティルハルムの王族が、国民の「家長」とされるのは、これが所以か・・・
歴史では多くが、戦場で戦う女王を評価しているようだが、ノワール二世だって、キティ二世だって「コレ」をやっているのだ。
私だけが、地味なデスクワークを放り出すわけにもいくまい。
そうか・・・
この紋章印・・・
このデザインでなければ、放り出していたかもしれん・・・
考えたな!初代陛下!
キティルハルムの王家の紋章
円で囲った中に、若かりし頃の初代女王ノワールのデフォルメアニメタッチの柄で描かれている紋章。
国旗・軍旗にも描かれており、国・個人によって賛否両論。
ちなみに、女王の決済の玉璽「紋章印」はこのデザイン。




