第151話 こたつ・・・
さ・・・寒い・・・
こんな寒い日は、ナキですら王宮にこない・・・
「だ・・・暖房・・・オン!」
全館暖房となる。
キティルハルムの一般家屋は、すべて暖房とコタツを備えている。
これは、転生者にして変人総合導師ライテスがもたらしたものだ。
なぜか宮殿内にある、妙に和室めいた居間・・・
ここに、でっかいコタツとテレビ・・・
コタツの膳に、みかんの入った籠が載っている。
「うむ・・・」
私は、大きくなったおなかを抱え、コタツに入る。
「元日本人なら、基本でしょー・・・」
しかも、今の私は「猫」だ。
コタツで丸くなって何が悪い!
遠隔型操作端末で、テレビの電源をオンにして、DVDを観る・・・
極楽だ・・・
やがて、イリアやユニィ、ナナイ、イノがやってくる。
「あったかいですねぇ・・・」
「極楽なの・・・」
「コタツのおミカン最高。」
ふと、窓を見る。
雪が降ってきた。
「寒い訳ね・・・」
なるほど・・・
これが、家庭の暖かさと言うわけか・・・
私は、おなかをなでる。
そう・・・
前世では、こんな感覚・・・
忙しい日々で忘れてたな・・・
そうか・・・
これが、初代女王ノワール様がずっと護っていきたいと願っていたものか・・・
コタツ
ご存知、コタツ。
第一次超魔王戦争の頃、トラルティールの初代ライテスから製法が提供された。
冷暖房が完備されたこのころのキティルハルムでも、全家庭で愛用されている。
だって・・・
「猫」ですから・・・




