第147話 超魔王の方針
「一体なんだろ・・・」
実験用マウス一号は、「超魔王の間」に足を進めていた。
闇の中・・・
影が、実体化する・・・
白衣を着た美しいエルフ女性の科学導師の姿だ。
「実験用マウス一号・・・」
「ご主人様。」
「ごくろうさま・・・」
「えっ?」
「あなたも、気付き始めていると思うけど、「大魔王」たちが変わり始めている。」
「・・・・・・」
「あなた自身も。」
言葉を返せない。
「僕は、ご主人様が正しいと思ってる!」
「じゃあ、大魔王たちが人間たちに肩入れし始めて、それを私が認めても?」
「うッ・・・」
実験用マウス一号は、唇を噛んだ。
「では、私から「命令」します。
「大魔王の半数が、人間の側についたのなら、あなた自身の判断で行動せよ。
もし、彼らが正しいと判断するのなら、彼らの総司令官となり、実験用マウス二号を初めとする兵全てを指揮し、大魔王軍を殲滅せよ。
ただし、これはあくまで大魔王の半数がそうなったばあいのみ有効とする。」いいわね。」
「は・・・はい・・・!」
実験用マウス一号は、思った。
ご主人様は・・・
自分が世界に「認められては」いけないと、思ってるんだ・・・
だから、自分を人柱にしようと・・・
そして・・・
最初から「実験用マウス二号」は・・・
僕への「退職金」だったんだ・・・
ハルカ博士、ついに覚悟を決めました・・・
実験用マウス一号も・・・




