閑話一 教祖にならないにゃ!その三
「大体にして、なんで神様だからって、教祖様にならなきゃいけないにゃ!
キリストしかり、ムハンマドしかり・・・
そして、ルカ様しかり・・・
教祖様になった神様は、ロクな目にあってないにゃ!」
リケは、憤慨した。
「信仰は、人をクズにするにゃ!」
その点・・・
とばかりに、王立図書館から写本した「宗教否定論」という本を隠し部屋の本棚からとりだす。
「さすが、著者はいいこと言ってるにゃ。
「「宗教」と「モラル」は別であるべし・・・」スチャラカな男だったようだけど・・・
陛下が心の師とするだけのことはあるにゃ。」
著者ライテスとある。
「ふむ・・・
「「創る者」と「買う者」の「芸術性」は、異なるもの。
ゆえ、互いのそれがかみ合わなければ、場合によって、「創る者」が一方的に「買うもの」に排撃されることもある。
そのような傾向になり始めたら、「創る者」は、「買う者」と「芸術性」を最大公約数に合わせる努力が必要となるものなり・・・」
陛下の妹のミナさんも、同じこと言ってたにゃ。
宗教も商売もリサーチが必要にゃ・・・」
それができないから、信仰が離れる・・・
それができないから、ベストセラー作家が失墜する。
「あちしの責任は、大きいにゃ。
くだらん宗教で人々を争わせる愚は、犯さないにゃ。」
ならば、せめて自分が啓発するしかない。
自分が「神様」なら、そんな愚はおかさない。
リケは、どうやって「勧誘」を断るか考え始めた。
リケ:しかし、その「最大公約数」を不服とするヤツもいるにゃ・・・




