第136話 右往左往
王立学校の長期休暇を利用して、ユニィたちは、トラルティールに出掛けた。
「あ・・・お屋敷のトラップに人獅子が引っ掛かってるの・・・」
「ぎゃーっ!!」
トラップに引っ掛かっている人獅子女性は、飛んでくる銃弾をかわしまくっている。
「な・・・なに考えてるのよ!この屋敷の主は!」
「多分・・・
変なこと考えてるにゃ・・・」
リケが言う。
門の方に歩く。
「うおーっ!」
右門柱の上に、獣の像があり、叫ぶ。
「さおーっ!」
左門柱の上に、対になった像があり、これも叫ぶ。
「「「・・・」」」
「おお!期待通りの反応です。」
門の奥から、レーザーライフルを持ったレッサーパンダが現れた。
「レ・・・レッサーパンダ・・・?」
「私は、当ライテス邸の警備隊長を務めております、レル五世です。
あちらの門柱の像は、次期当主アルナス様がお作りになられた、「右往左往像」でございます。」
「「「・・・・」」」
「やっぱ、変にゃ・・・」
リケが呟く。
「もしかすると・・・初代ライテスが作ったっていう「銀魚」っているの?」
ユニィが尋ねる。
「おりますとも。
五十匹ほど。
正確には、子孫ですが。」
「いるのか・・・」
アルムスが、脱力した。
「ちなみに、私どもは古来「レーザーパンダ」と呼ばれております。」
なんだそりゃ・・・
「アラナス様や勇者様方が、お待ちしております。」
レーザーパンダ
トラルティール王都・トラルティアのライテス邸の警備をしているレッサーパンダ。
手先が器用で、「レーザーライフル」を使用し、異様に練度と知能が高い。




