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第4章 3幕 9 偽りの竜王

宙を舞う粉塵と土煙。その中から、全身の肉が曝け出され、翼が片方もがれたドラゴンが顔を出した。


「流石にしぶといな。俺が魔法詠唱者なら或いはこの一撃で仕留め切れたのかもしれんが、どうかな?」


もはや戦いではなく、一方的な蹂躙だった。原初たる竜でも、この世界の頂点の一角、”上位者”の前では少々強いワイバーンと大差はなかった。


(この前は魔公共が自爆覚悟で特攻してきたから不覚を取ったが、今回はドラゴン一体。造作もない、それに….)


「いつまで隠れてる?」


-雷撃(レランパーゴ)-


男は自身の左後ろ目掛けて魔法を放つ。

本来そこにない筈の何かに当たり、魔法が炸裂した。


魔竜マディラ


気付いたのは、水海の宮殿(ヴァッサーヴェルデン)を使用した瞬間だ。本来いない筈の場所に水が当たる感覚があった。それに、微妙に臭いがコイツと魔竜は違かった。似通っていたので勘違いこそしたが確定だ。今回の討伐対象はこの化け物2匹だ。


「大人しく魔界に籠っていれば良かったのに。そんなに、俺が憎いのか?それとも”コイツ”か?」


これ見よがしに、ギドラを顕現させる。

原初2体が同時に目の色を変える。


「余程恨まれてるんだなお前。何しでかしたんだ?」


「ーーーー。」


「あそう。まぁ、いいやどうせコイツらはここで討伐しなきゃな。じゃなきゃ、今後の”予定”に色々と支障が出る。」


-化石の唾液(メデューサ)-


魔竜がこちら目掛けて、唾を吐きかけてきた。

ギドラにその唾がかかり、ジワジワとそこから石化が始まった。

魔竜は殆どの攻撃が物理攻撃で、魔法は使用しない。その代わり尋常ではない身体能力を備えており、とりわけ厄介なのがこの唾だ。喰らった瞬間に石化が始まってしまい、魔力防壁も貫いてくる一撃必殺技だ。


-吐瀉転生(リィンカーネーション)-


石化の侵食が片方の男の頭上直前になった瞬間、ギドラの口からもう1人の男が吐瀉物のように飛び出した。


「ベトベトだ….この前娘が臭い臭いとうるさかったな。泣きたかった。」


魔竜がギョッとする。以前は竜を切り離して対応していたが、今回はまるで違う回避の方法に理解が追いついていない様子だった。


「さてと、とっとと片付けて家に帰らねばな。娘が待ってる。そうそう、良い感じに身体を傷つけるんだよ?評議会の連中にそろそろ良い思いをさせてやらんとな。」


-偽りの竜王(ディセプションドラゴンロード)-


竜騎士のもつ最強最悪のスキルが発動する。

そして、この世界における古き神々の眷属が

2つ消滅した。

もっと苦戦させてギリギリの勝負を演出しまかったのですが、ベテランのチュートリアル。原初は犠牲になったのだ。

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