未来の決心
「……とお爺ちゃんと理事長さんが勝手に許嫁にしたんですよ」
私は許嫁になった経緯を話しました。
「未来ちゃんは嫌なのかい?」
「はい」
私のきっぱりと否定したのに対し義昭さんが
「謙信のどこがいやなんだ?金持ちだし、見た目のいいし、成績もいい。これだけいい男いないぞ」
「別に謙信さんが嫌なわけではないです。ただこの許嫁騒動が嫌なだけです」
謙信さんの幼馴染である九条さんからもイロイロ聴いてるから謙信さんがどれだけいい人か知っています。
でも……
「だよね~。未来ちゃんはまだ15歳で高校1年生だもんね。許嫁なんかで縛られたくないよね。私も同じ立場なら嫌だもん」
優子さんは、私のことをわかってくれたみたいです。
嬉しいです。
「でも逃げていても仕方ないだろう。一度ちゃんと会って話をしてみたらどうだ?」
「義昭君の言うとおりだね。未来ちゃんもお爺ちゃんもそうだけど、一度謙信君とちゃんと話してみたらどうかな」
謙信さんも私が許嫁なのが嫌なのかもしれないし、一度ちゃんと謙信さんと話してみようかな。
「僕は何があっても、未来ちゃんの味方だから困ったら頼ってくれていいからね」
「私もよ」
3人に話を聞いてもらって私は少し余裕が出来ました。
そうだよね。私と同じ立場の謙信さんと話をしよう。
「私帰るね。まだ謙信さんがいるかもしれないし」
「一緒に行こうか?」
「お兄ちゃんは優子さんとデートなんだからいいよ」
そう言って私は席をたち
「じゃね。お兄ちゃん、優子さんと義昭さんもありがとうございました」
私は3人がまだ何か言いたそうでしたが急いで家に戻りました。




