おかず交換
はあはあぜいぜい
ハイキングを甘く見ていました。
ペースも考えずに歩いていたら疲れ果ててしまいました。
同じペースで歩いていた九条さんは汗一つかいていません。
それどころか
「一条さんのお荷物持ちましょうか?」
そんな優しい言葉をかけてくれました。
イイ人だ九条さん。
でもさすがに持ってもらうわけにもいかないので、頑張りました。
そして頂上に着いたら私は生きる屍となっていました。
そんな私にいろいろ気をきかしてサポートをしてくれる九条さん。
ホントイイ人です。
九条さんの介抱のおかげで元気になった私は、2人で一緒にお弁当を食べることにした。
私はお弁当箱を開けようと蓋を持った瞬間嫌な感じがしました。
お母さん……
信用してるよお母さん。
ホント信用してるよお母さん。
蓋を開けると可愛らしい母の大好きなアニメのキャラクターの顔のお弁当でした。
お母さん……グスン
私は好きじゃないよこのアニメ。
私のお弁当を見た九条さんは
「まあー」
手のひらをを口に持っていき驚いた表情をしている。
「その、個性的なお弁当ですわね」
はいそのとおりです。
私のキャラ弁に比べ九条さんのお弁当……
豪華な3段重箱で私が見たこともない食材がいっぱいあるんですけど。
「すごいお弁当ですね」
「そうですか?」
お金持ちの九条さんにとっては当たり前のお弁当なんだろうな。
「じゃあ食べましょうか」
「はい」
「「いただきます」」
九条さんとオカズの交換をしながら楽しく食べた。
私のキャラ弁も本心から美味しいと言ってくれました。
お母さんが作るものは基本美味しいんですけど見た目がね~
私も九条さんのおかずを食べさせてもらいました。
美味しい!!!
キャビアにフォアグラに伊勢海老。
堪能させていただきました。
食事のあと私はお礼に持ってきた駄菓子をお渡ししたところ
「こんな美味しいものを食べたのは初めてですわ」
と言ってくれました。
10円のウメー棒で喜んでくれた九条さん。
イイ人で可愛い人です。
読んでくれてありがとうです^^




