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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
3章 料理の道、キンザンのこだわり

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43話、ロマンと教会とキンザンの意地

 先に寝てしまった俺、そんな横で嫁ちゃん達が凄い寝相で寝ている。

 朝から顔面キックを食らわしてきたミアとニアには、次から注意だな。


 そんな感想を抱きながら、まだ日が昇り始めた青白い空を眺めてからミアとニアに掛け布団を掛けなおしてやる。


「流石に朝早すぎだな……歳か、早起きになった気がするな……さて、みんなが起きる前にチャチャッと片付けるか」


 一人でリビングに向かい、いつも同様に朝の一服とホット珈琲をまだ眠気に支配されそうな体へと、ぶち込んでいく。


「さて、例のアレを換金しちまうかな、ただ、どんだけ出てくるか予想がつかないのがネックなんだよな……加工前のダイヤの原石なんて予想がつかないからなぁ……」


 悩むと時間だけが過ぎていくことを理解している。だからこそ、悩まずに“リサイクル袋”に一気にぶち込んでいく。


「サイズ的に大丈夫なのか……いや、今までも有り得ないサイズの物もたくさん入れてきたが……破けないよな?」


 恐る恐る、【ストレージ】から取り出した巨大な原石を“リサイクル袋”に向けて取り出していく。


 再度、サイズを確認して、不安になりながらも近づけた瞬間、“リサイクル袋”の入口が巨大なブラックホールのように大きく拡がると一気にダイヤの原石(飾り石)が吸い込まれていく。


 例えるなら、蛇が卵を丸呑みするような感覚だな。


 “リサイクル袋”が一気に膨らみ小刻みに震えだしたかと思うと突然、塞がった口が開き大量の金貨が雪崩のように流れ出してくる。


「う、嘘だろぅぅッ! うわぁぁぁぁぁぁ!」


 全身に叩きつけられるように襲い来る金貨にあっさりと全身を持っていかれる【身体強化】を咄嗟に発動した為、何とか耐えられたが、少しでも遅れてたら、金貨の中で星になってたかもな……マジに笑えねぇ……


「オッサンッ! 今の音な──オッサン!」


 凄まじい音に慌てて降りてきた嫁ちゃん達に全てバレてしまったな……


「すまん、引っ張り出してくれるか……1人だと出れそうにないんだ」


「わ、わかった! ニア、皆も早く手伝ってくれ、オッサンを引っ張り出すぞッ!」


「わ、わかったにゃ!」


 そこから、嫁ちゃん達、総動員で金貨の海から引き出され、事の顛末を事細かく全て話す結果になった。


 説明をしても、ミアやニア、ポワゾンも含めて、飾り石が大金に化けたという話を信じてくれなかった。

 しかし、その話を聞いて、ベリーにかなり叱られた。


「何を考えてるのよ! 『カリナンダイヤモンド』の価値を知らないの! 日本なら4000億の価値があるのよ! この枚数からして1つ間違えてたら死んでたかもしれないんだから、本当にやめてよね……」


「わ、悪かった。皆を驚かせないようにと思ってたんだが、次からは相談するよ」


「2人とも、話してるところ、悪いんだけどさ、やっぱり意味わかんないだけど? オッサン説明しろよ!」


「早い話が、俺やベリーがいた世界では飾り石をダイヤって呼んで価値がある石だったんだ」


 “リサイクル袋”に飾り石を入れた理由と、予想より大量の金貨が出てきた事実を話、みんなにも心配をかけた事実を謝罪する。


 金貨を全て【ストレージ】へと集めると4500億枚と言う馬鹿げた枚数が【ストレージ】に表示された。


「あの原石……9000億の価値があったのかよ……急に怖くなってきたんだが……」

「私も……さすがにそんなヤバい金額(9000億リコ)なんて、初めて見たわよ……本当に非常識過ぎなのよ!」


 本当に常識を無視した行動をした自覚はある……


「それよりも、ご主人様。ワタシ達で朝食の用意をいたしますので休んでいてください」


 ポワゾンの言葉に甘えて、食材として、ベーコンや野菜を渡して調理を任せることにした。

 ポワゾン、ドーナ、ペコ、グーの4人がキッチンに入り料理を開始する。


 朝から大騒ぎになったが、これからのことを話しつつ、予定を再確認していく。


 朝から焦ったが、ベリーが持ってきたレモのジュースを受け取り、一気に飲み干す。


 一息ついてから、ベリーに昨晩の話し合いの結果を聞いていく。

 

 嫁ちゃん達が夜通し話し合った結果、決めたのは、王都から程近い海の見える港町だった。


「その港町に何があるんだ?」

「美味しい魚介類のある港なのよ。みんな、キンザンさんに新しい食材とか料理を食べさせたいそうよ……妬けちゃうわね。ふふっ」


 軽く意地悪い言い方してるんだよな……まったく。


「からかうなよ?」


 しかし、そういった途端、横に座るミアから何故か椅子の足を軽く蹴られた。


「からかってないからな……みんなで話し合って色々悩んで決めたんだからさ」


 そんな具合に、斜め前からもニアが身体を乗り出して「そうにゃ……沢山悩んだのにゃ!」と言ってくれた。


 そんな会話の最中、ポワゾンとドーナ、ペコとグーが朝食を運んできてくれた。


 野菜のスープにベーコン、パンといったコチラの世界では豪華な部類の朝食と言える。


 そう考えたら、揚げもん屋『フライデー』ってかなり安く販売してる事になるんだな……価値を見直して高くしたりはしたくないから、まあ価格をいじる気はないから悩む気もないんだけどな。


 みんなで作ってくれた朝食を美味しく食べてから、行き先が港町だとわかったので、嫁ちゃん達の必要なものを確認しながら【ストレージ】へと入れていく。


 港町なら、水着みたいな物もあるのか? 寧ろ、海水浴のようなことができるのか?


 オッサンと言っても野郎は皆、水着がみたい生き物だと思うんだよな?

 だから、これは下心じゃなくて、純粋にして健全な思考だよな。


 しかし、考えがバレたらヤバいから、平常心が必要だ。そのため、煩悩は捨てねば!


 そこから、釣竿などの釣りに使う道具などを“買い物袋”から取り出しては次々に【ストレージ】へと移していく。


 釣りはロマンって話を昔の彼女に話したら、全力で否定されたが、釣りの楽しさはやった人にしか分からない。一言で言えば、やはり、ロマンなんだよな。


 準備が整ったら、俺達は街外れの教会へと向かっていく。

 当たり前だが、教会に近づくにつれて、人影が次第に減っていくのが分かる。


「なあ、ベリー。教会ってやっぱり、金にがめつい奴しかいないのか?」


「そんなことないわよ。少なくとも他の街よりはこの[バリオン]の教会はまともよ。ちゃんと[バリオン]の兵士さんとも連携して身分証明書なんかも管理してるもの」


 話を聞いてわかったことは、他の街って意外にヤバいんじゃねぇかって事実だった。


「今からいく[バリオン]の教会がまともなら、それでいいか」

「ただ、問題は移動先がちゃんと仕事するかよね。あちらで拒否なんかされたら、強制転送で送り返されて、目もあてられなくなっちゃうもの」


 金払って行った先で強制転送って、ある意味、詐欺みたいな話だな……

 まぁ、厄介そうなら馬車でゆっくりしてもいいけどな。

 とにかく、話を聞いて、無理そうならその時はその時だ。


「あ、キンザン。見えてきたにゃ〜!」

「おぉ、本当に教会があったんだな……」

「当たり前にゃ、今更だにゃ?」

「いや、教会に来たのは初めてなんだわ。あはは」


 ポワゾン、ミア、ニアの3人はすごく驚いていたが、日本の記憶があるベリーは、“まぁ、そうよね”っといった表情を浮かべていた。


 他のドーナ、ペコ、グーに関しては『教会ってなに? それ美味しいの』といった表情を浮かべている。


 到着した教会に先ずは挨拶を済ませるとしよう。


 多分、しわくちゃな爺様の神官さんとか、聖母なお婆ちゃんが出迎えてくれるんだろうな。

 

「オッサン、早く挨拶とか済ませようぜ、日が暮れちゃうぞ」


 ミアの声に慌てて教会の中へと足を踏み入れる。中の作りはやはりというか、現実の教会と変わらなかった。違ったのは、複数の女神像が奥に置かれていることくらいだった。


「神様は皆、女神様って感じなのか?」

「いや、今の女神様はたしか、数百年前に新たな世界神になったはずだぜ。オッサンの店だって、女神様の名前から取ったんだろ?」


「まぁ、たしかに似てるというか、そのままだな……」


 ミアと会話をしていると明らかに偉そうな神父さんが俺達の前にやってきた。


 簡単に言えば、成金趣味の金ピカな服を着ていて、服の作りが聖職者のそれじゃなければ、詐欺師にしか見えないのが本音かな。


「ふん、久々に転送陣を使いたいと聞いて来てみれば、冒険者パーティか、本当に金を持っているのか?」


 駄目だ、こいつは多分ダメな奴だ……ベリーの話だと、まともって話だったが、こいつは絶対に違う……


「随分失礼な言い方をされるんですね。聖職者より、金貸しの方が向いてるようにみえますね」


 怒りを成るべく飲み込みながら、冷静な口調で言いたいことをしっかりと伝えることにした。


「キサマのような礼儀も知らぬ、冒険者崩れみたいな奴は五万と見できたのでな! 嫌なら帰ればよい。女神フライ様の名の元に天罰がくらわんことを」


 こいつ、やっぱりムカつくわ! 我慢の限界だわ!


「大丈夫です! 女神のフライちゃんとは、友人くらいには仲がいいんで!」


 俺の言葉に明らかに嫌悪感を表情に出して、イライラさせているのがすぐにわかった。


 普段なら、こんな風に喧嘩越しに話したりはしないが、二度とこないと決めたなら、しっかりと文句も言ってやらないと気が済まないのが本音だ。

 だから、今回は次とか関係ねぇ! スタイルで話ていく。


「性格の悪さは勝てませんが、本人を知ってる以上、アナタのような方がフライちゃんを語るなんて、本当に嫌悪しかありませんよ。あはは」


「言わせておけば! 女神に会っただと? この罰当たりが! 我らが信仰心を愚弄しおって!」


「アンタがどんなに語ろうが俺からしたら、アンタは信用に値しないんだよ。この成金神官が!」


 嫁ちゃん達が明らかにドン引きしてるが、悪いが今回はフライちゃんの事もあるから、絶対に引きません!


〘落ち着いてください! 喧嘩はよくないですから、キンザンさんストップですよ〙


 ん? 今回は頭の中ってより、耳に声が直接、響いてるような気がするんだが……


 視線を声の聞こえる方に向けた瞬間、俺は目を疑った。


 女神像の口が微かに動いてるのがわかった瞬間、表情が固まった。


「な、なんでそうなるんだよォォォォォォッ!」


 その瞬間、全員の視線が女神フライ像に集まると、無理矢理に女神フライ像がニッコリと笑った。

読んでくださり感謝いたします。

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