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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
3章 料理の道、キンザンのこだわり

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38話、嫁ちゃん達と歩く市場

 揚げもん屋『フライデー』の一日が終わり、片付けを済ませた俺は、風呂の順番がきたので一人、風呂へと浸かっている。


「一日の疲れはやっぱり風呂だよな〜」


 湯船に浸かりながら目を閉じて、フライちゃんの言葉を思い出していた。


「神様がクビになるとか、冗談きついよな……もし、フライちゃんが女神をクビになったらどうなるんだろうな……」


 天井からの水滴が頭に落ち、俺は目を開く。

 脱衣所からの微かな音に気づき、視線を向けた瞬間、ベリーの声が聞こえた。


「キンザンさん、タオル置いとくわよ。あと、服も油がすごいから先に洗うわね」


「お、済まない。助かるわ」


 ベリーが脱衣所から移動する音が聞こえたので、再度、静かに湯船を楽しんでいく。


 しかし、予想外の出来事はいつも突然に起こるもので、俺は気づけば、うたた寝をしていたらしい。


 脱衣所から再度音がしており、その音で目を覚ました。

 扉が開かれると、ミアが入ってくる。


「な、お、オッサン!」

「え、ミア……」


 慌てて、出ようとした瞬間だった「いいから座ってろよ……まったく」


「おう、なんかすまん」

「服なかったからって、確認しなかったボクも悪いしさ」


 ミアはそのまま、体を洗うと俺の膝に座ってくる。


「オッサンがいないと、ゆっくり入れないから、それだけだからな……一緒に入りたくて来たんじゃないからな」


 膝に座ったまま、赤髪を俺の肩に当ててくる。

「なぁ、オッサン……ボクがいない間に、新しい女とか……作ってないよな?」


 なんで、そんな心配してんだか?


「大丈夫だ、1番はミアだからな、よしよし」


「久しぶりに飴、食べるか?」

「うん、くれるなら食べる……」


 赤髪を撫でながら片手で【ストレージ】から、いちご味の飴玉を取り出していく。


「あーん」っと、当たり前のように口を開くミアに俺は静かに飴玉を口に入れてやる。


「ひさひさのコレ、やっはり美味ひいな」

(ひさびさのコレ、やっぱり美味しいな)


「だから、口に入れたまま喋ると舌を噛むぞ?」


「らいじょぶだよ」

(大丈夫だよ)

 そう言いながら、笑うミアを見て、俺は本当に帰ってきてくれたんだと、両手で抱きしめていた。


「いきなりなんだよ、照れるだろ……」


 数日会わなかっただけで大切な存在を再確認する事になると思わなかったな。


「なんか、オッサン、いつもより大胆じゃんか……」


 俺とミアが見つめあった瞬間、ベリーの声が脱衣所から聞こえてくる。


「キンザンさん、着替え、置いと……キンザンさん!」


 ガラガラっと開かれた扉、見つめ合う俺達を見て、ベリーが、なぜか俺を睨みつける。


「ご、誤解だから、誤解だぁぁぁぁぁぁ!」

「いいから出なさい、みんなで入るなら、許すけど、抜け駆けは許しません!」


 ベリーの声に集まるパジャマ姿の嫁ちゃん達、叱られている理由を聞いた途端にベリー側にみんながついたのは悲しかった。


「それはマスターがメッなの!」

「そうにゃ、ニア達は我慢してるにゃ!」

「ご主人様は薄情者です……あんなに言いましたのに……ぷいっ」


 なんか、凄いことになってしまった。


 そんなリビングで正座な俺をみて、慌てたミアが助け舟を出してくれた。


「待ってくよ、オッサンは悪くないんだよ。ボクがそのまま入ればいいって言ったんだ……間違えて入ったのもボクだし」


「いや、誰も悪くないだろ? それに俺が出なかったのが悪いしな」


 悪い流れになりそうだったが、そこにベリーが溜め息混じりに手を“パンっ”と叩いた。


「はぁ、私も言いすぎたわ、だから、次からは、みんなでお風呂に入れば済むわね。どうかしら?」


「賛成にゃ〜」

「賛成なの〜」

「ワタシも賛成です……ポッ……」

「ボクは、オッサンがいいなら、賛成だよ?」


 話が嫁ちゃん達の中で決まった時、ペコとグーの2人が手を小さくあげた。


「「わ、私達も、主様と……入りたい……です……」」


 予想外の言葉に俺とベリーが口をあんぐりと開いて驚いたが、他の嫁ちゃん達はあまり気にしていない様子だった。


「まぁ、そうなるよな? ボクは予想してたけどさ、オッサンって、なんかモテるしな」

「そうにゃ、キンザンは女の子ホイホイだにゃ〜」

「種馬なご主人様ですから、何人いても大丈夫かと、たらしなご主人様は素敵です」

「よく分からないけど、みんな仲良くなの〜」


 俺の意見はガン無視でペコとグーも次から風呂に一緒に入ることになりました。

 大丈夫なんだろうか、俺は自分の欲望と理性の天秤が傾きすぎないかを気にしつつ、風邪をひく前に服を着る。


 俺はみんなが先に眠りについてから、リビングで煙草を吸っている。


「ふぅ〜なんか、バタバタな一日が終わったな、しかし、ペコとグーまでどうなってんだ?」


 少し悩みながら“買い物袋”から、100円のホットコーヒーを取り出して飲んでいく。


 明日はどうなることやら、俺は煙草と珈琲を味わいながら、嫁ちゃん達が眠る寝室へと向かう。


 寝室では寝たと思っていたミア達が俺の布団に潜り混んで待っていた。


「オッサン、寝かさないからな……」

「そうよ、たまには、みんなの相手をしなさいよキンザンさん」

「逃がさないにゃ〜!」

「マスターに甘えるの〜」


 嫁ちゃん達が目を輝かせるとポワゾンが防音の魔導具を置いたのがわかった。

 俺はそのままベッドへと引きずり込まれると俺の長い夜が始まるのだった。


 結果を言うなら、()人の相手をすることになり、回復ポーションを三本程、数時間の間に飲む事になった。


 若さとは恐ろしいもんで、オッサンの俺はドーピングなしには、一晩を戦い抜くことすらできないようだ。


「さすがに、歳を感じるな……ぎっくり腰になったらやばいな……」


 いつも通りの朝を迎える前に風呂を沸かしていく。


 先に体を洗いながら、流し湯で身体を綺麗にしてから、朝食の支度に取り掛かる。


 風呂は勝手に止まってくれる訳じゃないため、注意が必要だが、多分、朝から必要になるので沸かさない訳にはいかないのだ。


「ついでに、避妊の魔符も買わないとな……朝からこんな風に悩む日がくるとはな」


 つい、1ヶ月ちょっと前まで一人のボッチ人生を歩んでた事実を思い出しながら、全身に残る艶かしい嫁ちゃん達の余韻を吹き飛ばすように首を左右に振る。


「朝から、俺は何を考えてんだ、さて、飯の支度だな!」


 朝食の支度を始める。十分程経つと、ポワゾンが火照った表情で挨拶にやってきた。


「ご、ご主人様、おはようございます……昨晩は幸せでした……えへ……」


「わざわざ、言うな、照れ臭いだろ……」

 照れた俺の頬にキスをするポワゾン。


「ほら、ポワゾン。先に風呂に入ってこい。もうすぐ沸くはずだから」


「ありがとうございます。皆様を起こしてから入らせていただきます」


 ポワゾンが他の嫁ちゃん達とペコとグーを連れて風呂へと向かっていく。


 風呂場からのガールズトークが聞こえてきたが、全力で聞こえないフリをして、料理に集中する。


 だって、俺の話を俺が聞くとか恥ずかしすぎるだろ! どんな罰ゲームだよ。


 順番に出てくる嫁ちゃん達のにんまり顔に俺は再度、照れ臭さに襲われていく。


 朝食を食べ終わり、片付けを済ませていく。皿を拭いてくれていたベリーが皿を置き、不意に背中から抱きついてくる。


「キンザンさん、ありがとうね」

「いきなりだな、どうしたんだよ?」

「だって、私以外、みんな見た目が幼いし……不安になったのよ」

「大丈夫だ、ベリーも俺から見たら幼いからな?」


 後ろを振り向けないくらいに強く抱きしめられてしまったが、その後はいつものベリーへと戻っていた。


 嫁ちゃん達なりの悩みもあるのだと改めて感じながら、俺は今日の予定を改めて考えていく。


 片付けが一段落して、各部屋の掃除と風呂掃除などを皆が終わらせてから、リビングに嫁ちゃん達とペコとグーを集める。


「この後の予定だが、みんなで街の市場に行かないか?」

 突然の発言だったが、反対する者はいなかった。

 ペコとグーは遠慮しようとしていたが、ベリーがそんな2人に「素直になったもん勝ちよ?」と言うと付いてきてくれた。


 見慣れない食材を【食材鑑定】しながら、なんの味に似ているかを確かめていく。


 『コルルの実』と言うのが、ココナッツミルクと同じで、こちらの世界での砂糖代わりに使われる食材らしい。


「へぇ、ココナッツミルクみたいなもんだな?」

「少し違うわよ、『コルルの実』はしっかり加熱しないと毒もあるんだから、使うにはかなり注意がいるわよ」


 ベリーの言葉に俺は市場に普通に売られてる商品をいきなり食べるのは辞めようと決めた。


 次に目を引いたのは肉屋に吊るされた『ビッグホーン』と書かれた肉で、多分、牛肉だろう、俺の知ってる牛肉と違って肉が紫で酷い臭いがしている。

 声には出せないが、腐ってるんじゃないかと疑いたくなるレベルだった。


「凄い臭いだな……」

「はにゃ〜辛いにゃ、ビッグホーンのお肉は苦手にゃ〜」


 ニアが倒れそうなくらい辛そうなので、慌ててその場を移動する。


 詳しく【食材鑑定】を見れなかった為、説明を聞けば、ビッグホーンは腐肉を食らう巨大な牛で、味はまあまあだが、臭いがキツすぎて、一部の人にしか人気がないそうだ。


 日本にも、クサヤや納豆、鮒寿司と臭いのキツい物はあったが、別格だったため、試すのは断念した。


 色々見てわかったが、異世界の食材、本当に怖すぎだろ……


 あまり買いたい物が見つからずに、市場の終わりまで来てしまった。


 すぐそばにある屋台で軽く食べ物を買って、“買い物袋”から『食パン8枚切り』を2袋取り出して、屋台の肉を挟んでサンドイッチにしていく。


 立ったままの昼食になってしまったが、これはこれで悪くないな。

読んでくださり感謝いたします。

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