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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
3章 料理の道、キンザンのこだわり

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35話、川で水着で流しそうめん

 [森の終わり]でのコカトリス討伐から一晩が明けて、俺達は移動を開始する。


 オーク肉が予想よりも大量に手に入り、次は魚を取りに向かうためだ。


 いつもの川に到着してから、ニアが慣れた手つきでダムを作り水をせき止めると容赦なく、大石に石を叩きつける。


 お約束の鈍い音と魚達が浮かんでくる様子に、ペコとグーが大はしゃぎだった。


 魚を拾い、あっさりと大量の魚を手に入れるとそれを【ストレージ】へとしまっていく。


 そこからは、川遊びタイムに突入するのだが、いきなり服を脱ぐニア達に俺とベリーが待ったをかけた。


「待て待て! 女の子がいきなり、服を脱ぐな!」

「そ、そうよ! 女の子なんだから」


「はにゃ? キンザン以外にオスは居ないにゃ? キンザンには見せたことあるから大丈夫にゃ〜」


 そんな発言に俺は視線を逸らしつつ、“買い物袋”から黒のタンクトップや半袖のシャツと半ズボン型の水着等を取り出していく。


 俺がガキの頃のデザインなので少し古い感じにはなるが、全裸で水遊びよりはマシだ。

 プール用のタオルで身体を隠させてから、ベリーにその場を任せて、俺は背を向けて煙草を吸う。


「煩悩退散、煩悩退散……」と口にして、目に焼き付いてしまった、ニア、ドーナ、ペコ、グーの姿を消していく。


「本当に、ご主人様はヘタレ〜ですね? 可愛い女性が全てをさらけ出しているのですから、殿方もさらけ出せばよいのです、ガバッとですよ!」


「ポワゾン、俺はそこまで、欲望に支配された覚えはないぞ?」


「少しは、支配されてください。そう出ないと、皆様が自分の存在に不安を覚えてしまいます」


「お前って、たまに人の真意をつくよな……」

「はい、ご主人様は手を出さな過ぎますから、他の方に手を出すよりも、手にしたモノにも目を向け、しゃぶりついてください」


 たまに艶めかしいのなんなんだよ!


「まぁ、考えとくよ……」

「ご主人様は、考えても行動しませんから、皆様が苦労します……」


「そんな事はないだろう?」っと振り向いた瞬間、俺は固まった。


 上半身のボタンを外し、それを、はだけさせたポワゾンが立っていたからだ。

 背中からはわからないだろうが、正面からはしっかりと見えるような完璧な脱ぎ方をしてやがる。


「ご主人様、ならば、行動で示してください」


 あんぐりと、口を開いた瞬間、咥えていた煙草が地面に落ちて、火種が割れる。


「な、なにしてんだ……」


「何をしているか、分からないほど、鈍感ではないですよね?」


 他のみんなが川で水遊びをする音がする中で、俺はポワゾンに抱きしめられ、顔を抱きしめられた。


「ヘタレ〜も、ドが過ぎれば、悲しみに変わります……恥をかかされるのは、更に悲しくなります」


 心臓を鷲掴みにされたような言葉に俺はポワゾンを抱きしめていた。


「鈍感すぎて、悪かった、いつもありがとうなポワゾン」


「はい、ご主人様。そろそろ戻らないといけませんね、ベリー様達に怪しまれますから……素敵な表情をご馳走様でした」


 絶対にポワゾンには敵わないな……


 俺とポワゾンが戻ると、ベリーに肘鉄をくらった。


「キンザンさん、さすがに分かるわよ……」

「誤解だって、なんもしてないからな?」

「どうかしらね? ふんっ」


 顔を赤らめてそう言われると少しの罪悪感と同時に可愛いと思う俺はやはりダメなオッサンかもしれないな。


 川では男物の水着を着て、上に半袖やタンクトップを身につけたニア達の姿があり、みんな楽しそうで安心した。


「ベリーは入らないのか?」

「馬鹿いわないでよ、見えちゃうでしょ……」


 そんな発言に自然と視線が下がり再度「もう、バカ!」と叱られた。


 とにかく、昼の支度を始めることにして、俺は川辺にある石を次々に積んでいく。


「なにするつもりなの?」と、不思議そうに俺を見るベリー。


「まぁ、すぐにわかるさ」


 俺は過去のイベントで仕入れたある物を取り出すために金貨を“買い物袋”に入れる。


 取り出したのは『屋外流しそうめんセット』だ。


 竹を固定する土台が着いていて、折りたたみ式で誰でも簡単に使える優れモノだ。


 石を積んだのは、土台の位置合わせと高さを確かめるためだ。

 最初の高さは何とかなるが、緩やかになる下段は調整が必要になる。


「上手くやらないと、麺が止まっちまうからな」


「なら、私がそうめんを茹でるわ、鍋とか貸してくれる」

「おう、頼んだ。硬めに頼むよ。多分フォークで取ることになるからな」


 流しそうめんセットを組み立ててから、最後に竹を固定する。


 あとは大量のペットボトルの水を“買い物袋”から取り出して、【ストレージ】に中身だけを入れていく。


 俺が【ストレージ】から水を放つと、竹を通って、下にある川まで流れるかの確認を行う。


 川に水が流れることを確認してから、湯切り用の大鍋とザルを用意して、川にそうめんが落下しないようにする。

 ザルには取り損なったそうめんが落下して、水だけが湯切り鍋を通り、川に流れる仕組みになっている。


 ニア達も不思議そうに並べられた竹を見てワクワクの瞳を向けているため、俺も作業を急いでいく。


「まだ、仮止めだからあまり揺らすなよ?」

「「はーいなの〜」」


 そんな流れで、ベリーが茹でたそうめんを持ってきてくれたので早速、麺つゆを人数分、用意して渡していく。


 ワクワクで飛び跳ねるニアとドーナが麺つゆをこぼさないかが心配だなぁ。


 早速、掴んだそうめんを流していく。


「ほら、行くぞ!」


 勢いよく流れ出したそうめんに、歓声が上がる。


「流れたにゃ!」

「流されたの〜」


 ニアは得意げにフォークを伸ばすが、そうめんはあっさりと通過していく。


「ニャニャニャ! 麺が逃げたにゃ!」


 俺はくすくす笑いながら、次々にそうめんを流していく。


 上手く取れた瞬間の笑顔、取れなかった時の悔しさ、なんだか、キャンプ気分から夏休み気分になるな。


 ベリーが追加でそうめんを持ってきてくれたので、楽しい時間が継続していき、あっという間に昼が過ぎていく。


 片付けに時間がかかるため、キリがいいところで流すのをやめて、俺とベリーもザルに残ったそうめんを食べていく。


 片付けを済ませてから、その場を移動する。


 帰り道でドーナが俺の裾を引っ張ったので、しゃがんで話を聞いていく。


「どうしたんだ?」

「マスター、そうめんは美味しいけど、素早いの、だから、逃げないそうめんが食べたいの」


 ああ、確かに……流しそうめんは、いきなり難しかったな。


「わかった。次は逃げない、そうめんにしような」


「それがいいの〜」


 ニッコリ笑顔で歩き出したドーナをみて、俺は店に出すメニューとして『天ぷら入りのそうめん』なんかも、いいかもしれないと考えてしまった。


 ドーナから貰った大切な意見は、これからも役に立つし、素直な感想ほど有り難い物はないからな。


 [森の終わり]から戻り、[バリオン]の『冒険者ギルド』へと向かう。


 簡単に、コカトリスとの遭遇と討伐を報告していく。


 コカトリスは本来、遭遇しないはずのエリアだった事と、前回のオークジェネラルの件についても、ギルドでも色々な意見が出ていたようだが、俺は聞かなかったことにして、あっさりと終わらせてギルドを後にした。


 賑やかなキャンプ気分が終わり、明日はいよいよ、販売商品の仕込みになる。


 明日は、気合いが必要になるだろうが頑張らないとな。


 屋敷に戻ってから、俺は嫁ちゃん達に明日の段取りについて説明していく。


「明日の仕込みは、みんなにも手伝って欲しいんだ、接客なんかもあるから、大変だろうが、頼めないか?」


 前回の反省点は、仕込みの数を見誤ったことだった。そのため、今回は仕込みの段階でみんなに手伝いをお願いしたのだ。


「そんな事でさっきから悩んだ顔してたの? 構わないわよ」

「そうにゃ〜、ニア達はキンザンの為に頑張れたら嬉しいにゃ〜」


 ベリー、ニアの言葉にその場にいた全員が頷いてくれた。


「本当にありがとうな、なら、明日は頼む」


 優しい嫁ちゃん達に感謝だな。

 

読んでくださり感謝いたします。

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