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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
2章 相棒と強敵・新たな出会い。

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27話、揚げもん屋『フライデー』オープン

 風呂騒動から2日が過ぎた。

 あの日のくじ引きは、どうやら、俺と寝る順番だったらしく、風呂での一件から全て仕切り直しになったようだ。

 その為、大きなベッドで嫁ちゃん達、全員と朝を迎える事になった。


 着替えを済ませた俺達は朝食を素早く済ませてから全員で店舗側に移動し、慌ただしく動き回っている。


 何故、こんなに慌ただしい事になっているかと言えば『建築ギルド』の頭領が[バリオン]の街中でウチで出した料理の自慢をしちまったからだ……


 その結果、昨日は一日中、屋敷側に、いつから開くのか、値段はいくらなのかと、質問が引切りなしに来てしまったからだ。


「だから、言ったじゃないのよ! キンザンさんが考えもなしに、料理を出すからよ」


「そうだぜ、たく、ボク達がいるから、いいけどさ、いなかったらどうする気だったんだよ、オッサン?」


「キンザンはおバカさんだにゃ〜にゃはは」


 ベリーの言葉に賛同するミアとニアに頭があがらないな。


 はい、分かってます……悩まずに椀飯振る舞いした結果がこれだからな。


「悪いな、皆が居てくれるから、まぁ、なんとかなるって考えちまうんだよな」


 そんな具合に、賑やかな会話も開店時間を前に終わりを迎える。


 揚げもん屋『フライデー』として、考えたメニューは5種類になる。


 商店街なんかを見ていてわかったのは、揚げもん屋が全くない事だった。

 ベリーにも確認したが、こっち側の世界には“コロッケ”が存在していないようだ。


 だから、単純に主力をコロッケとするか悩んだが、それはなんか、違う気がした……


 なのでメニューは以下の通りにしてみた。


 ◇◇◇


 ・オークのトンカツ、『オーカツ』大銅貨5枚(500リコ)

 ・魚の骨無しフライ。『魚フライソース付き』大銅貨1枚(100リコ)

 ・角うさぎの唐揚げ、『ラビカラ4個』大銅貨2枚(200リコ)

 ・ジャガイモとオーク肉の『オーコロ1個ソース付き』大銅貨1枚(100リコ)

 ・オークミンチとキャベツの『ミンチカツソース付き』大銅貨2枚(200リコ)


 どれも【ストレージ】に余ってた素材を使っているし、何より俺からしたら、安上がりな揚げもんばかりだ。


 ソースをかける事で真似が出来ないのもデカイだろうし、パン1つが銅貨5枚(50リコ)と考えても、『オーカツ』以外は安めの設定のはずだ。


 こちらの世界だと、玉子が高いらしいから、真似される心配もないし、真似されても同じ味は、絶対に出せるはずがないと思ってるしな。


 油鍋に温度計を装着して、揚げ物を揚げていき、何とか準備が完了した。


 前日に仕込みをするのは本当に大変だったが、俺みたいな普通のオッサンは本来こっちのがあってんだよな……


「なに黄昏てんのよ、オープンするわよ?」


 ベリーの声に覚悟を決めて、最後の確認をしていく。


「紙袋は大丈夫だな、それに計算用のスペースにも、小銭は置いたな……よし!」


 扉の鍵をベリーが開けてから、外の看板を『オープン』にひっくり返す。


 それと同時に、客が一斉に入って来たので、最初に説明をしていく。


「ウチは並ばない客には、商品を売りませんッ! 並んで注文を待ってください!」


 俺の声と同時に、ミアとドーナがメニューを書いた紙を一人ずつに渡していく。


 注文スペースでポワゾンが注文を取り、商品をニアが詰めていき、それをベリーへと渡す。


 会計スペースでベリーが支払いと引き換えに商品を渡していく。


「お待たせ致しました。『オーコロ』が6個と『ラビカラ』が2セットになります。全部で1000リコになります」


 ベリーはレジに向いてんな。暗算ができるから、会計もスムーズだな。


 俺は商品の減り具合を確認しながら、次々に商品を揚げていく。


 1日持つだろうと考えていたが、開店から4時間、昼までに仕込んだ全ての商品が完売してしまったのは本当に驚いた。


 頭領さん達や、アンリさんも買いに来てくれたのには驚いたし『調理師ギルド』からも大量に注文が入って、あっという間の出来ごとだったな……


「ベリー、今からだと、仕込みも間に合わないから、『品切れ』の札を掛けてくれ、何とか出来る分だけは揚げるから」


「わかったわ、今いる人達でラストって事でいいわね?」

「おう、頼むわ」


 そこから、俺はなるべく安く簡単なメニューに絞り、揚げていく。

 本来簡単なのは『オーカツ』なんだが、高い物しかないとなると、買えない人も出るかもしれないので、『ラビカラ』と『魚フライ』を中心に揚げていく。


 オークミンチも次からは多めに仕込まないとダメだな、途中で追加を作るのは難しいと改めて理解する結果になった。


 今回はフライ系にこだわり過ぎたが、次は天ぷら系をメニューに追加しても良いかもしれないな。


 それから、更に1時間を揚げ物と向き合って、店内のオーダー全てを渡し終わり、俺達はやっと安堵の表情を浮かべる事が出来た。


「みんな、お疲れ様だな、ありがとうな」


「やっと終わったな、オッサン、正直、ボクはオークと戦う方が楽に感じたよ……」

「同感だにゃ〜、これが食堂だったら、本当にやばかったにゃ」

「そうなの、疲れたの〜」


 幼嫁3人がヘタリ込み、そんな言葉を呟くとポワゾンがアイスティーを運んでくる。


「皆様、お茶に致しましょう」


「悪いな、ポワゾン。お前も疲れてるだろうに」

「構いません。ワタシはご主人様の奴隷で妻……ですから……ポッ……」


 ポって言うの好きだな、まぁ可愛いからいいか。


「ベリーは何してんだ?」


「なにって、売り上げの計算よ? 当たり前でしょ、後にしたら厄介だもの」


 俺が最初に用意した量を確認する。


 ・『オーカツ』100食、1つ(500リコ)

 ・『魚フライ』100食、1つ(100リコ)

 ・『ラビカラ』100セット、1つ(200リコ)

 ・『オーコロ』200食、1つ(100リコ)

 ・『ミンチカツ』100食、1つ(200リコ)


 そこから、更に追加で揚げた物


 ・『魚フライ』50食

 ・『ラビカラ』が20セット

 ・『オーカツ』が4食


 改めて、かなりヤバイ量を揚げてんな……


 売上は以下の通りとなった。


 ・『オーカツ』52000リコ=金貨2枚と大銀貨6枚。

 ・『魚フライ』15000リコ=大銀貨7枚と銀貨1枚。

 ・『ラビカラ』24000リコ=金貨1枚と大銀貨2枚。

 ・『オーコロ』20000リコ=金貨1枚。

 ・『ミンチカツ』20000リコ=金貨1枚。


 合計131000リコ=金貨6枚、大銀貨5枚、銀貨1枚となった。


 数時間の稼ぎとしては十分だろう。


 計算をしていたベリーを始め、他の嫁ちゃん達も金額を聞いて驚いていた。


「すごいな、オッサン、マジかよ……数時間で数日分のクエストと変わらないじゃないかよ」


 ミアの言葉はごもっともだ。実際にオーク討伐で冒険者に払われた金額が5日で金貨1枚だった事を考えれば分かるだろう。


 使った食材も討伐素材ばかりで、使った卵や小麦粉なんかは“買い物袋”で安く済ませている。

 全ての材料費を合わせても金貨1枚でお釣りが来るのだ。


 手間と時間を差し引いても、金貨4枚程度には利益が出ているように感じる。


 ただ、これは正直、週1が限界だな。食材の調達を『チームフライデー』として行うとして、下ごしらえと仕込みに1日掛かる。


 更に休日も必要だな、俺はブラックな職場を作る気はないからな……ブラックフライデーなんて、真っ黒焦げな揚げもんは美味くないからな。


 俺自身、嫁ちゃん達と過ごす時間を狩りと仕込み、店の運営時間だけにする気はないしな。


 たまには、イチャイチャしたい! そう思うのが男のロマンだから、仕方ないよな。


 俺は今回の販売から色々と頭の中で思考する。


 まずは、時間的な問題だ。

 実際に商品を1人で仕込むには、限界があると思う、だからといって、嫁ちゃん達に仕込みまでやらせるのは、申し訳なさ過ぎるんだよな。


 悩む俺にミアとニアが心配そうに問い掛けてくる。


「どうしたんだよ? オッサン、なんか具合悪いのか?」

「疲れたにゃ? 膝枕してあげるかにゃ?」


 いけない、表情に出ちまったみたいだ。


「いや、大丈夫だ。店を週に1度だけやるかを考えててな」


 1人で悩むのもダメだなと思い、素直に考えを打ち明ける。


 すると、ミア、ニアと同様に心配していたのか、ベリー達3人の嫁ちゃんもホッとした表情で俺を見ていた。


「いんじゃないかな? ボクは毎日は、流石にヤだけど、嫌いじゃないよ」

「ニアもにゃ〜お店は大変だけど楽しいにゃ〜」


 他の3人も同意してくれたので、とりあえず、揚げもん屋『フライデー』は“金の精霊の日”に開く事になった。


 そのまんまだが、こちらにも、1週間が存在するし、読み方も月~日まで存在する過去の転生者か転移者に日本人がいたんだろうな。


 全て“〇精霊の日”と呼ぶのが、また日本人らしいと感じてしまう。


「さて、昼飯を用意したら呼ぶから、皆は屋敷で休んでてくれ、鍵を閉めたらいくから」


「分かりました。キンザンさんも急いでくださいね」

「オッサン、手伝いが必要ならいえよな?」

「ニアもその時は手伝うにゃ〜」


 そんな感じに嫁ちゃん達は屋敷に戻って行った。


 扉に施錠をしようとした時、扉の前に人影がある事に気づいた。


 お客さんか……もう、売りもんはないんだよなぁ……


 困りながらも、無視も出来ない為、扉を開く事にした。

読んでくださり感謝いたします。

☆☆☆☆☆で評価ありがとうございます


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