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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
2章 相棒と強敵・新たな出会い。

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23話、オークジェネラル討伐・アマゾニアの民、リリー

 意識を失った俺が目覚めたのは、見知らぬテントだった。


「お、目が覚めたな、アンタはいつもボロボロだな?」

「その声、リリーか……俺はどうしたんだ?」


「アンタは倒れたんだよ。そこに偶然いたから、慌ててアタイらのテントに運んだのさ、本当に頑張るねぇ」


 回らない頭を必死に整理する。


「つまり、俺を助けてくれたんだな、ありがとうなリリー」


「逆だよ……アンタにアタイの仲間達も助けられたんだ。回復ポーションなんて高いもんを馬鹿みたいにぶちまけるなんて、本当にアンタはやばい奴だよ」


「確かにな、まぁ、助かったならよかったよ」

「だから、アタイ達はアンタに礼をしたいのさ」


 そう言われると背後から2人の女性に両手を掴まれた。


 後ろを確認すると、リリーと同じく筋肉質の美人の姿があった。

 リリーもそうだが、装備のトップは、ビキニアーマーで、下は水着にパレオを巻いたような姿をしている為、目のやり場に困る。


「それとも、アタイ達みたいな、女は嫌いかい?」


「嫌いじゃないが、そのあれだ、若い自分を大切にしないとダメだ! 将来後悔しちまうぞ」


 嫁が5人もいて、全員若く、最年長が20のベリーである俺が言うのもなんだが、本当に自分を大切にして欲しい。


「なら、問題ない。アタイら、16で成人してるからな。子を宿したら、戦士として育てる、安心しろ」


 運動会が始まろうとした瞬間、テントの扉が開かれる。


「誰だ!」っとリリー達が入口に視線を向ける。


 そこには、ポワゾンとドーナの2人が立っていた。


「ご主人様、外でもお盛んなんですね……正直、犬でも、もう少し行儀よくできるかと……」

「マスター……たらしなの?」

「違いますよ、ドーナ。ご主人様はクソ女たらし野郎様なんですよ」


 なんか、違う! 俺はたらしなつもりはないんだよ……


「うーん、マスター、ベリーちゃんに報告なの」


「ま、まて、それだけはダメだって!」


 そんな事を言っているとポワゾンが、防音の魔導具を入口に置く。


「ワタシはご主人様が、どんな種馬でも、ついて行きますので、皆様もお楽しみくださいませ。行きますよドーナ」

「ポワちゃんダメなの、マスターがまだなの!」

「いいんですよ……ワタシ達のご主人様はそう言う方なのですから、さぁ、行きますよ」


 ドーナを連れてポワゾンがテントを出る際にいつもの悪い笑みを浮かべて薬品を1本テントの中に巻いていく。


「ま、まて、今のはなんだ!」


 閉まるテントの隙間から呟かれたのは「いつもの媚薬です」の一言だった。


 そこからは大運動会になってしまい、各パーティが休憩を終わらせて森から移動する直前まで運動会は盛大に続いていく。

 俺は結局、休むことが出来ずに回復ポーションをがぶ飲みする事になった。


 リリー達のテントから出ると、鬼のような顔を浮かべた3人の嫁と不敵に笑うポワゾン、それをアタフタとみるドーナの姿があった。


「オッサン……何してんだ? なぁ?」

「倒れたって聞いて心配してたにゃ、元気そうだにゃ?」

「ふふ、まさか、外で浮気なんて、仕方ない旦那様ね……」


 怒りがオーラにすらみえる……やばいやつだ……


 俺が冷や汗を流している最中、背後からリリー達、3人が俺に抱きついてくる。


「あら、大変ね? もし捨てられたら、アタイ達の故郷に一緒にきなよ。アンタなら、大歓迎さ」


 リリー達は楽しそうに、そして、真剣に俺にそう言ってきた途端、ミア達の怒りが爆発した。


「いいからッ! 服を着やがれ!」


「アンタらの男だったのは悪かったね、でも、アンタらなら分かるだろ? 強いオスにメスは群がる。立派なオスの物になる為にね」


「……く、否定はしないよ! でも、オッサンの1番はボクだからな!」


 なんか、論点がズレてんだが……


「小さいねぇ、アタイら、アマゾニアの民、アマゾネスは、何番目かなんて気にしない。オスの物になれたらそれでいいのさ」


 そんな会話を止めたのはドーナだった。


「よくわからないの、でもみんながマスターが好きなのは分かるの? みんながマスターを好きだとダメなの?」


 その言葉にミア達もリリー達も、言葉を失い、顔を逸らしてしまった。


「そ、そうだな、オッサンを好きになるのは仕方ないよな……」

「そうさね、確かに魅力的なオスだからね……悪かったね、言いすぎたよ」

「ボクこそ、ごめん」


 なんか知らないが、解決したので、良しとしようとした瞬間、ドーナが爆弾を投下した。


「なら、おねーちゃん達もマスターの女なの、お嫁さんなの、沢山おねーちゃんが出来たの」と上機嫌に喜びだした。


 しかし、リリー達はそれを見て笑った。


「アタイ達は、キンザンの女になるのはいいが、嫁にはならないよ。いつも命懸けだからね」


「だめなの?」


「嫁にはならないが、愛はあるさ、だからいつか、そんな日が来たら、よろしく頼むね」


「わかったなの、任せるの〜」


 リリーが俺にウィンクすると、ミアと握手をする。


「そう言う事だ、いつか、世話になる時は頼むよ」

「その時もボクが1番なのは譲らないけどね。でも本気なら認めるよ」


 リリー達は会話を終えると服を着て、テントを畳んでいく。


「アタイらも森を降りるし、ギルドに向かうとするかね」


 俺達もギルドを目指す事にして移動を開始する。

 森を降りる際にベリー達からは街に戻ったら、お説教をすると言われてしまった。


 半日かけて、森を抜けてから俺達は他のパーティ同様に『冒険者ギルド』へと向かう。


 『冒険者ギルド』では、“笑う月の夜”に俺達も含めて、冒険者パーティが誰も戻らなかった為、大騒ぎになっていた。

 追加の探索パーティーを向かわせようと考えていたようだが、俺達も含めて多くのパーティーが夜になり戻った事で一気に空気が変わったらしい。


「キンザンさんーーー!」とギルドに入るなり、受付嬢に泣き崩れた。


「いぎてたんですね……良かったですぅぅ」


「泣くなよ、無事にみんなで戻ってきたし、土産もあるからさ」


 その言葉に、報告しようとしていた討伐部隊のリーダー、ロウセンが立ち止まる。


「キンザンさん、裏で皆を集めてからにしてくれ、オレは酒を頼んどくからよ」と小さく言われる。


「よしゃ、裏に来てくれ、ギルド職員と皆にも見せないとならない物がある!」


 ロウセンはリーダーなので、報告でオークジェネラルの存在を知っていたが、他のパーティーは討伐された事実を未だに知らなかった。

 あえて、ロウセンが口封じをしていたのだ。

 理由は単純で、即席の討伐部隊には、外からきた冒険者も参加していたからだ。


 討伐の報告もそうだが、仮に討伐者として報告されれば、賞金や報酬の度合いが違って来るからだ。


 大人数が裏の解体場に移動する。


 ある程度、人が集まり、ロウセンが戻ってから直ぐに俺は【ストレージ】から、オークジェネラルの素材を並べていく。


 ・オークジェネラルの頭部

 ・オークジェネラルの魔石

 ・オークジェネラルの肉(大量)

 ・オークジェネラルの骨

 ・オークジェネラルの大剣


 周囲がざわめき、冒険者達からも声があがる。


「こ、これは!?」

「オークリーダーよりデカイぞ!!」

「むしろ、討伐したのかよ!」


 冒険者達が騒めく最中、ギルド職員達も目を疑うようにオークジェネラルを見つめていた。


「えっと、これは、オークリーダーじゃ、ないですよね……」

 受付嬢が口にした質問に俺ではなく、ロウセンが声を上げた。


「そうだ! コイツはオークリーダーを手下にするような、邪悪なモンスターでオークの上位種、オークジェネラルだからな。何より、そいつを仕留めたのは、『チームフライデー』だ」


 ロウセンはそう言うと俺の背中を“バシンっ”と叩き、1歩前に出された。


「キンザンさん、アンタが来てなかったら、[バリオン]にまで被害が出たかもしれん、家族もいたからな、本当に感謝する」


「俺は俺達が出来る事をしたまでだよ。それに皆が生きてたら、それが一番だからな」


 俺がそう言い終わると、ロウセンがまた声をあげる。


「酒を大量に用意した! 今日は生きて街に戻れた喜びを全身で感じろ! 忘れないように身体に酒で刻みつけろッ!」


「「「おぉォォォォーッ!」」」


 喜びの声と共に冒険者達が酒を飲み、料理を楽しみながら、討伐部隊の話に花が咲く。


 俺はギルド側から呼ばれ、オークジェネラルの討伐報酬とその他の支払いについての交渉がしたいと言われた為、嫁ちゃん達を残して応接室へと案内される。


 交渉内容は討伐部隊が最終日に受けた料理についてと、被害を最小限にした事による報酬についてだった。


 応接室に通された俺の前に副ギルドマスターを名乗る老婆が姿を現した。

読んでくださり感謝いたします。

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