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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
8章 王都に潜む影と信じる者

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215話、武闘大会開催!対戦ルールとパフォーマンス

 開会式が始まり、バッカス大陸王国の国王であるルフレ殿下の挨拶が行われる。


 ルフレ殿下の性格なのだろうか、本当に手短な挨拶で、逆に心配になるが、そうでもしないと大会の進行に支障が出るのであろう。


 予選が既に終わっているにも関わらず、その参加者は見た限りになるが、俺の目には軽く百人を超えているように見える。


 そう思いながら、選手達を眺める俺はヒヒ様の後ろ側、つまりはルフレ殿下を後ろから眺めるポジションで挨拶を聞いていた。


 挨拶が終わると次にコロシアムに作られたステージに向けて、進行役の男性が指を力強く伸ばし、“声量増幅の魔導具”を握りながら声を張り上げて、高らかに宣言する。


「お集まりになりました紳士淑女並びに、高貴なる方から街のお嬢様に坊ちゃん方まで、大変長らくお待ちいたしましたっ! 今より、バッカス武闘大会の開始だァァァァァァァァッ!」


「「うおぉぉぉ!」」

 一気に熱気を帯びた会場の空気が声になってコロシアムに響き渡る。


「僭越ながら、進行役は私、ミクロ・フォーノが務めさせていただきます! 既に皆様は選手の方々を見てお気づきでしょう──勝者が誰になるか、誰を予想したでしょうか! 多くの冒険者達が、多くの騎士達が、その頂点が今日(こんにち)決定するこの舞台をッ! 最強を掴む存在が、この場にいる事実をッ!」


 選手に手を伸ばし左右に広げると天高く指を伸ばし、ミクロ・フォーノはさらに言葉を続ける。


「第一回戦は、10人によるバトルロワイヤルだァッ! 各自が互いの敵となり、最後の1人になる、その瞬間まで! 戦って! 戦ってッ! 戦い抜けろッ!」


 一回戦目のバトルロワイヤルのリングには屈強な冒険者風の男や騎士団からの参加者であろう男、聖騎士、そして、ミアとベリーの姿があった。


 あの2人、同じブロックになったのか……ただ、2人が強くても、怪我などが無いといいんだけどな。


 そう考えていると、ミアとベリーに向かって近づいていく騎士姿の男性が目に入る。


 2人の様子から、多分だが、参加を辞退するように勧められていることが推測できた。


 ベリーは呆れた様子で聞き流してるけど、ミアはブチ切れてるみたいだな。こりゃ、試合がかなり荒れそうだな。


「さぁさぁ、既にリングでは早くも火花が勃発! 男と女? いやいや違うぅぅぅッ! 戦士と戦士の正真正銘の生き残りロワイヤル! 負けても怨みっこなし、さあ、頼むぜ、ブラザーッ! 試合開始だァァァァァッ!」


 ミクロ・フォーノの声が響き、試合開始を知らせるゴングが鳴り響く。


 各自が動き出していき、冒険者6名が聖騎士と騎士団員に向けて襲い掛かる。

 冒険者だからなのか、それとも騎士団や教会に対して恨みがあるのか分からないが、凄まじい勢いで武器を抜き襲い掛かっていく。


 当然ながら、騎士団員も聖騎士もそれを難なく回避すると、逆に襲ってきた冒険者に向けて、剣を向ける。


 一瞬で、距離を開き、睨み合う両者、そんな、冒険者VS聖騎士&騎士団員の流れができ上がった頃、待ちくたびれたようすのベリーが手を前に伸ばす。


 両者が向き合い、睨み合うそんな緊張する場面に向けて、詠唱を終えたベリーが軽く微笑むと「──グラビティ・プレスッ!」と、容赦ない一撃を放った。


 聖騎士はそれに気づいて慌てて、回避しようとしていたが、冒険者達はそれに気づいていながら、あろうことか、聖騎士と騎士団員に向けて突進した。


「これは、冒険者が聖騎士と騎士団を相手に肉弾戦だァァァァァッ! 剣で勝てぬならば、捨て身のボディアタックッ! 体力自慢の冒険者ならではのパワー技だ!」


 そこまで、マイクパフォーマンスが行われたと同時に発動したベリーの魔法【グラビティ・プレス】が8人全員を巻き込む形で発動すると冒険者達と騎士団員の男7名がリングに横たわり、気を失っている。


 一瞬の事に会場が静まり返ったが、そこにミクロ・フォーノの声が叫ばれる。


「これはッ! まさかのダークホース! いや、ダークベリーィィィィィィィッ! 騎士も冒険者(野郎も)一網打尽の危険な果実がすべてを掻っ攫ったァァァァァッ!」


 会場が一瞬でざわめき、歓声が湧き上がる。それと同時にベリーの一撃を回避した聖騎士が立ち上がる。


 剣を構えて、ベリーに視線を向ける。


 ベリーが冷めた視線を向けるが、それも当然だった。


 聖騎士の背後には既にミアが移動しており、鬼人族の怪力から撃ち放たれる拳が聖騎士を場外へと問答無用に吹き飛ばす。


 そうして、向き合った2人に会場からは固唾を呑み込む音が聞こえてくるが……


 ベリーが自ら、リングの外に向かい、場外に降りていく。


 戦闘が始まると思っていた会場からブーイングが起こるとベリーが天高く手を伸ばし、火炎魔法と風魔法を複合した劫炎を思わせる火球を撃ち放った。


「ベリー選手……あの、今のは……」


 ミクロ・フォーノが恐る恐る近づき、ベリーにマイクを向ける。


「見ての通りよ。ミアとは仲間なのよ。彼女に勝つ気なら、これくらいしないと勝てないわ。ただ、今のを観客がいるのに撃ったとして、運営側は防げるのかしら?」


 少なくとも会話には防衛魔法を有する魔導具が配備はされているが、あくまでも一般的な魔法や矢などを防げる程度である。


 もちろん、防御魔法を使える魔導師も待機しているが、ミクロ・フォーノの視線に待機していた魔導師が首を全力で左右に振る。


「わかったでしょ? 私がもし、怒って、本気を出してミアと戦ったらみんな丸焦げよ。それに色々あったから、ミアが全力で暴れたら我慢なんかしないから、大変よ」


 色々ってのは、多分だが、俺の足の件だろう……普段からミアは鬼人族としての戦い方をしないように冒険者スタイルを貫いてきていた。


 そんなミアが本気でベリーとやり合えば、確かに会場の防御魔法など容易く貫いてしまうかもしれないな。


 ベリーは軽く手を振ると、通路へと消えていった。

 会場に残されたミアは軽く頭を掻きながら、ミクロ・フォーノに視線を向ける。


「──えぇ、第一試合の勝者はミア選手に決定だァッ! ベリー選手からの指摘もあり、会場関係者にはさらに強固な防御魔法を期待せざるを得ないが、次の試合では、全力のミア選手に期待だァァァァァッ!」


「そ、そうだよな! 頑張れ、ミア!」

「ミア選手の全力を楽しみにしてるぞ!」

「全財産、賭けてるからな! 頼むから負けないでくれぇぇ!」


 会場からのブーイングが一変して、ミアへの声援が巻き上がり、第一試合が無事に終わりを迎えた。


 そうして、第二試合が行われることになり、ここでは猫人族の戦士達とウルグの姿があり、他にも冒険者達がいたが、試合開始と同時にウルグが冒険者達に特攻を仕掛けると、冒険者側は示し合わせたように複数でウルグを取り囲む。


 本来は個人戦だが、やはり冒険者という生き物は、勝率を考えて動くのだろう、即席のパーティを作り、ウルグの猛攻を防いでいく。


 ウルグは今回は長剣を使っているため、1対1なら、間違いなく冒険者達よりも格上だろう、しかし、パーティとなった冒険者を相手にするには、厳しく見える。


 そんな両者に対して、猫人族の戦士達が横っ腹を抉るように突撃する。


 あわや大乱闘となった瞬間、ウルグが鼓膜を貫くような遠吠えを放つ、一瞬、リングの上で動きが止まった僅かな瞬間を狙い長剣が加速する。


 前衛の盾役を務める冒険者の脇腹に目がけて長剣が振り抜かれると、切断こそなかったが、装備していた鎧が“グシャッ”と音を立てて凹み、冒険者が意識を失うように倒れ込む。


 盾役を失った即席パーティは猫人族の戦士達と互いにぶつかり倒れていく。最後にはウルグと2人の猫人族の合わせて3人のみになっていた。


 そこからは激しい打ち合いになり、最終的にウルグが勝利を手にして、第二試合が終了した。


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