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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
1章 オッサン異世界に行く

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17話、ベリーの鑑定・ポワゾンとドーナの繋がり

 宿屋に戻ってすぐに、嫁ちゃんズ全員に幽霊屋敷での出来事を俺が分かる範囲で説明していく。


 ここで一番大切なのは、全てタイミングなのだ。

 一つ間違えれば、物理的に出血大サービスの重傷者(俺)が出来上がる未来しか残らない。


「──と、いうわけで、幽霊屋敷を貰う流れになったんだよな……」


「キンザンさん、すごいじゃない、タダで屋敷を貰ったのね」


「オッサン、本当に幽霊なんていたのかよ? 今はいないって言っても、大丈夫なのか?」


 最初に紫ロングが褒めだして、赤髪ショートは少し不安そうだな。お化けが苦手なんかな?


「にゃにゃにゃ〜お引越しだにゃ〜!」

「掃除は任せてください。ご主人様の部屋は毎日行きますので」


 猫耳娘と毒メイドは、あっさりだな、良かった。


 さて、こっからが勝負なんだよな……


 正直に言えば、今、みんなからは見えていないが、黒ナースのドーナはこの部屋にいるんだよな……


「どうしたんだ、オッサン? なんか、汗かいてんぞ」


「いや、大丈夫だ。それよりミア、お化けとか苦手なのか?」


 質問に軽く嫌そうに手をシッシッと動かす赤髪ショートは、渋い顔をしていた。


「だって、アンデッド系は倒すの大変なんだぜ。奴らをあっさり倒したオッサンの方が今は怖いけどな」


「酷いなぁ、俺は普通のオッサンなんだがな」


 その言葉に嫁ちゃんズが一斉に首を左右に動かしたので、泣きたくなった。


 そして、緊張をほぐすように煙草に火をつける。


 その仕草に紫ロングが口を開いた。


「なにを隠してんのかしら……キンザンさん?」


 心臓がドキッと震え、鼓動が早くなるのを全身に感じた。


「あ、いや、あはは……」


 一斉に視線が集まり、幼嫁2人が眼前まで一気に迫ってきた。


「話せよ、オッサン!」

「話すにゃ! あの銀髪お姉さんと何をしたにゃ!」


「誤解だ! ルンダさんとは、何もしてない!」


 空気を読み過ぎる毒メイドがお約束の防音の魔導具を設置すると親指をグッと立てる。


「じ、実は……」


 最後に言っていなかった黒ナースについて、話していくことになった。


 黒ナースは今、【ストレージ】の中にいる。

 試しに入れてみたら、気持ち良いくらいにあっさりと入ってしまったので、今もそのままになっている。


「キンザンさん、とりあえず出してもらえるかしら?」


 頭を抱える紫ロングに言われて、俺は【ストレージ】を開き、中から黒ナースを取り出す。


「マスター、暗いの……寂しいの」っと、震えて、黒ナースが体育座りで姿を現すと、紫ロングが笑いながら、殺気を放ったのがわかった。


「また、少女なの、私への当てつけかしら?」

「ち、違う!」 


 そんな紫ロングとの会話に黒ナースが飛び込んで来る。


「マスター、寂しかったの〜!」


「うわっと」


 抱きついてきた黒ナースをキャッチしてから、正面に一度座らせる。


「自己紹介から始めよう、できるか?」

「できるの、ドーナはドーナなの、マスターの精霊なの」


 黒ナースの姿を見た紫ロングが震え出す。


「これ、バトルナースのコスチュームじゃない! 容姿も同じだし! どういうことよ? 」


 お、紫ロングは『バトルナース』を知ってるんだな……


「なんか、俺の記憶から、拾ってきたらしい……原理は分からないが、気づいたら、その姿だったんだよな」


 そこからは、俺の膝の上に赤髪ショート、横には猫耳娘、反対側に黒ナースと、ちびっ子3人組に囲まれての話し合いになった。


「お前らなぁ、今、膝の上に乗る必要あるか?」


「あるんだよ! 1番はボクなんだから、フン」

「2番はニアだにゃ〜スリスリだにゃ〜」

「ドーナも、乗りたかったから、なの……」


 正面で頭を抱える紫ロングと、羨ましそうに指をくわえる毒メイド。


 何故、指をくわえてるんだ!


「まぁ、何となく話を聞いてたら、その子、ドーナは家精霊みたいなものだったみたいね」


「ベリー、家精霊ってなんだよ?」

「家精霊は、早い話がブラウニーとかピクシー、ホビットみたいなやつよ……」


 なんか、どこかで聞いた事のある名前ばっかりだな。


「ただ、姿を変えるなんて、謎すぎるわね」

「妖精とか精霊って、よくいるのか?」

「いるわけないでしょ、普通はいても見えないわよ……むしろ、悪霊とかじゃないでしょうね?」


 紫ロングの言葉に黒ナースの顔を見る。


 必死に首を左右に振っている……小動物にしか見えない。


「なんか、違うってよ?」

「キンザンさん馬鹿なの? とりあえず、鑑定するから待って、動かないでね」


 ・種族名──*口兄#&*#霊&*怨▲#

 ・個体名──ドーナ

 ・状態──憑依、隷属、恋の病、呪縛、死者、キンザンの所有物


 ・スキル

 ・#▲@&◇Д#『み』

 ・▲#︿㋸Ф﹀※ゝヾ*

 ・*ナ※#@##ᗯᘔЩ

 ・⊙”※*】⊙#ヾ#※*


「待って、無理、無理、無理ッ! 全然、可愛く無いわよ!」


 すごく焦ってるな、何が見えたんだ?


「どうしたんだよ、ベリー?」

「あんた、あんなのマジに拾ってきたわけ! ホラー映画の『リソグ』とか『トイレの貞光』とかくらい怖いわよ!」


「見たの……ドーナの大切な秘密見ちゃったの? 許さないなの……」


「ま、待って! 来ないで、止まって!」


「ダメなの……喋ってドーナが嫌われたらイヤなの……」


「喋らないから! 忘れるし、私は心を入れ替えるから、賛成するから!」


 完全に夏のホラー映画みたいな雰囲気になってるし!


「約束なの……」

「うん! 約束するから、絶対話さないから!」


「わかったなの、仲直りなの」と紫ロングと黒ナースが握手をしたが、明らかにおかしいんだよな。


 小声で紫ロングに「後で教えてくれるか?」と聞いたら、全力で首を左右に振りやがった。


 とりあえず、あとは毒メイドだが、なんかすでに、手をガッツリ組んでるんだよな……


 毒メイドと黒ナース、悪い予感しかしないのは何故だろうか……


 なんか騒がしくなったけど、明日は『建築ギルド』と『民間ギルド』に行かないとな、悩みが尽きないな。


 その日、俺は、いや、俺以外のみんなも深い眠りについた。


 △△△


 日が昇り、俺は毒メイドと2人で『建築ギルド』へと向かっていた。


「みんな、結局、起きなかったな?」

「はい、皆様、まだ寝たいと……珍しい事もあるものです」


 そう、毒メイド以外の3人の嫁ちゃん達は、宿屋で寝てしまっていた。

 しかも、朝目覚めると黒ナースの姿もなくなっていた。


「ドーナのやつ、屋敷に戻ったのか?」

「分かりませんが、近くにいるように思います」

「まぁ、後で見つけたら、話を聞くとしよう、今は『建築ギルド』だ」

「私は、エヒト様に『民間ギルド』への口利きを頼んでまいります」


 毒メイドは領主邸に走り、俺は『建築ギルド』で話を進めていく。


 裏の屋敷と店舗を増築により、つなげる事が決まり、工事費も通路をつなぐだけの増築になる為、かなり安くしてもらえた。


 安くなった理由は他にもあった。

 この『建築ギルド』の大工の頭領さんがカツサンドの一件で食べに来ていた、お爺さんだったからだ。


「あの時のアンちゃんか、任せな! すぐに手配してやるよ」っと気持ちよく返事をしてもらえた。


 日取りが決まり、明日からでも始められると言うので依頼を済ませると、次に『民間ギルド』で増築工事に関する書類にサインする。


 毒メイドが戻ってくると、手紙を手渡された。


「手紙?」

「はい、領主様からです『民間ギルド』の職員に渡すようにと、預かりました」

「悪い事したな、今度、挨拶に行かないとな」


 領主のエヒトさんからの手紙を『民間ギルド』に渡すと、びっくりするくらい、スムーズに話が進み、増築の許可が貰えた。


「何とか、午前中に話が済んだな……」


 広場のベンチに座り、煙草を吸いながらの休憩、ひと仕事終わったって感じだな。


「さて、ポワゾン、そろそろ戻るか」

「はい、その前に……」


 毒メイドが急にふらつき、慌てて、手を伸ばす。


「大丈夫か、具合でも悪いのか?」

「だ、大丈夫、それより、行きたい場所があります」

「どこに行きたいんだ?」

「ついてきて、こっちです……」


 俺は手を引かれるまま、後ろをついて行く。


 そして、気づくと何故か、大人の為の宿屋に連れ込まれていた。


「休みたいのは、わかるが……ふ、普通に、宿屋に帰った方が良くないか……」


「全部みたの……みんなだけズルいの……」


 その口調、違和感を感じてたが、毒メイドじゃない……


「だから、マスター、ドーナにも繋がりが欲しいの……」


 突然、毒メイドがその場で倒れると、黒い霧が身体から、飛び出した。


「ド、ドーナ? どうなってんのか、説明してくれるか……」


「ドーナは、マスターと繋がりたいだけなの……だから、受け入れて欲しいの……」


 真剣な表情で見つめてくるドーナの姿にとりあえず、待ったをかける。


「いや、だからってな、ポワゾンを傷つけたらダメだろ!」


「私は大丈夫です、ご主人様」っと毒メイドが起き上がる。


「無事だったのか、よかった」

「はい、むしろ、最初から予定通りです」


 俺は首を自然と傾げていた。


「私たちで話し合って、決めた事ですので」


 説明された内容は、ドーナだけが、『みんなと違う』と言い出し、毒メイドが提案した計画だった。


 途中から、身体を貸して、大人の宿屋に誘い、つながりを作る……


「いやいや、おかしいだろ……お前ら、女の子だろ、自分を大切にしろよな」


「お言葉ですが、ご主人様。惚れた男性に尽くしたいと思うのが女心でございます。恥をかかせない事も男性の優しさかと」


 毒メイドは親指をグッと立てる。


 そこからは、お約束の展開であり、毒メイドと黒ナースにより、俺はしっかりと繋がりを作ってしまった。


「マスター? 大好きなの」

「はは、マジに俺、身体が持たないかもしれないな……」

「大丈夫です。ご主人様は野獣ですから」


 とりあえず、毒メイドは100叩きにしようと決めた瞬間だった。


 夕刻の鐘が鳴り、俺達は宿屋に戻ると、不機嫌そうな嫁ちゃん達に囲まれた。


 俺は悪くないよな……多分、悪くない!


 そこから、2時間ほど、お説教を食らい、最後にはドーナの事が毒メイドの口から説明されて、更に叱られる事になった……。

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