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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
6章 砂漠の街オアシス都市 [ガルド・デゼール]下

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155話、フライとポワゾン・1

△△△


 わたしは女神として、愛する人のため、目的地へと黙々と進むことにしました。

 王都にて、邪悪な禁忌のスキルを解くための手段をポワゾンと一緒に探していくことにしましょう。

 今ある僅かな資料と人が他者を淘汰(とうた)するためだけに作った禁忌の呪法、そんな人の知恵に女神であるわたしは何もできないのだと、胸が痛くなりますよ、まったく。


 わたしは普段、女神として、力を振るうにも関わらず……今回は何の役にも立たなかったのですから、女神とは名ばかりだと自覚させられてしまいます。


 ただ、諦めの悪さは、闘神と呼ばれていた頃から変わらないので、そこは問題ないですが。

 だからこそ、今は僅かな可能性も情報も見逃さぬために、ポワゾンと2人で時を停めた結界を使い、資料や文献を只管(ひたすら)に読み漁っている真っ最中です。


 これは女神だからとか、そんな安い感情なんかじゃない。

 わたしが……きんざんさんのために役に立ちたいからという、完全な私情ですね。

 それでも今のわたしが笑えるのは、1人ぼっちの世界から助けられたあの瞬間があったからに他なりません……

 女神の力を地上で使う決断をしたのは──全部、きんざんさんと居たいからと……

 そんな言葉ばかりあふれてしまうからなんでしょうね。本当にメフィスに職権乱用と言われても否定できなくなりそうですね。


 不思議なものです……最初は私が与えられた新たな力で、このバッカスを守護しながら、地球に生きる日本という島国で壊れそうな魂を救済するための担当に選ばれただけの話だったのに……


 わたしは戦うことしか知りませんでした。いえ、わたしは戦うことのみを必要とされる女神だったという方が正しいのかもしれないですね。


 今では、メフィスとも互いに話ができますが、過去のわたし達ならば、殺し合いをしていたでしょうに、本当に不思議な話です。


 戦しか知らないわたしは、既に魔王が失われた世界で不必要な存在であり、ただの抜け殻だったのですからね。


 それが、いきなりの世代交代で、転生と転移を担当する女神にされて、今を生きる人々の価値観が分からず、交渉も上手くいかない……


 むしろ、地球の流行りや必要な物などの知識を調べることを禁じられてしまっている中で転移と転生を断った方々に話を聞いて初めて理解した知識ばかりでした。


 最初に見た目が女神らしくないと、ボサボサだった髪のダメ出しをされたり、暗い部屋が怖いと怯えられて、白く明るい部屋にしてみたりと本当に大変でした。


 必死に改善しても、転生と転移に関して、頷く方は少なく、最終的に残り1人となったわたしは途方に暮れてしまったことを今も忘れられません。


 逆にもう誰も来ないでほしいと不安に支配されていた時に、まさかの最後の1人が見つかり、わたしの前に転送されてきてしまったのですから。


 心臓の鼓動が高まり、口から吐血するんじゃないかと思うほどにあの時は、胃が痛くなりましたからね。


 でも、わたしの予想外だったのは、若い学生や、いじめられて絶望した方などではなく、普通の男性が送られてきたことでした。


 転移や転生者を選ぶのは私ではなく、担当になった天使のため、私は送られてくる方に説明をして、地球から見た異世界であるバッカスに移住してくれないかと頼むことしかできなかったので、終わりを覚悟しました。


 だからこそ、最後の一人が、夢見る子供や優しい女の子ならと願っていましたが、現実は男性の方であり、後のわたし達の旦那様である金山さん……そう、きんざんさんだったのですから。


 必死に説明しようと息巻いた瞬間、予想外に可愛いと思われた事実、わたしは初めてそんなことを思われて、柄にもなく、赤面してしまいました。


 今まで、闘神として、恐れや、恐怖の感情のみを向くられて、魔族からも天界からも怯えられてきたんですよ? 

 そんな、わたしにいきなり可愛いなんて、本当に反則なくらい、素直な思考だったんですよね。


 それでも、最初は断られてしまって、気づいたら泣いてしまうという、醜態(しゅうたい)を晒してしまい(あまつさ)え、足にしがみついて懇願するといった女神にあるまじき行動をとってしまっていました。


 でも、そんな情けないわたしをきんざんさんは、優しく微笑んでくれて、話も聞いてくれました。


 今思えば、あの瞬間から好きになっていたのかも知れませんね。

 わたしはダメだと思いながらも、理由をつけて、女神の加護をきんざんさんにあげてしまっていました。


 実はこれ、本来はダメなやつなんですが、どうしてもきんざんさんの行動が知りたくて、やってしまいました。


 その結果は、まぁ、きんざんさんが色んな子達とアワワワワなことをするから、両手で顔を隠しながら真っ赤になっていましたね。


 そんなこんなで、時間がすぎた結果、わたしは我慢の限界を迎えて、きんざんさんにそれとなく理由をつけて念話を飛ばし、あれよあれよと今に至る感じでしょうか……


 我ながら、女神としても、女としても、最初の頃のわたしはダメダメですね。


 ですが、今また、ダメな女神やダメな女性になる気はありません。


 わたしがきんざんさんの嫁になったのは、きんざんさんの優しさや人柄に惚れたからであり、何より、あの人の妻として役に立ちたいからなんです。


 だから、絶対にきんざんさんを元のサイズにもどして、皆と料理をしたり、笑ったり、一緒に寝たり、褒めてもらったり、いけませんね。煩悩が出すぎですね。


 とにかく、皆のためにも、わたしは諦める気はありません。絶対にきんざんさんにかけられた禁忌のスキルを解除する方法を見つけてみせます!


 数時間文献や資料を読み漁り、改めて感じたのは、人間の知恵が生み出した禁忌に、女神であるはずのわたしは、何もできない事実でした──そう痛感するたびに胸が締め付けられる。


 本来なら、女神として大きな力を振るえるはずなのに……今回は、何一つ役に立たない。まったく、わたしが知恵の女神だったらと悲しい気持ちになりますね。


 女神とは名ばかりだと、嫌でも思い知らされてしまうのですから。


 ですが、だからといって諦めるわけにはいきません。


 諦めの悪さは、わたしが“闘神”と呼ばれていた頃から変わらないのです。

 だからこそ今は、わずかな可能性すら見逃さぬために、ポワゾンと共に時を停めた結界を展開し、ひたすら資料と文献を読み漁っているのですからね。


 ……これは女神だからとか、そんな義務感ではなく、ただ、わたしがきんざんさんのために役に立ちたい──それだけの、完全な私情なのですからね。


 とはいえ、わたしが今、必死に調べている解呪の書物や解除スキルについての内容には何もヒントが無いようです。


 一緒に探してるポワゾンと、ルフレ国王の部下であるエオナもいまだに、糸口すら掴めていないようなので、本当に困りました。


 そんなポワゾンは魔物図鑑を調べているようですね。

 わたしも色々な方向性に視線を向けねばなりませんね。

読んでくださり感謝いたします。

☆☆☆☆☆で評価ありがとうございます


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