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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
6章 砂漠の街オアシス都市 [ガルド・デゼール]下

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148話、みんなで餃子を作ろう1

 俺の怒ると怖い嫁ちゃん達は今、天使のような表情を浮かべている。


 ハムスターサイズになった俺は役に立てないため、自分達が頼られる状況が嬉しいのだと、ベリーがこっそり教えてくれた。


 小さくされた結果、喜ばれるってのは何とも言えないが、それでも怒りからルフレ殿下側と揉めるよりはずっとマシだと思う。


「みんな、悪いな。頑張ってくれ」


「気にすんなよ。ボク達は逆に嬉しいんだからさ? それより、小麦粉を持ってきたけど、どうしたらいいのさ?」


 俺の指示で料理を開始することになった嫁ちゃん達。

 今から作ってもらう予定の料理は餃子になる。


 なぜ、餃子かと言えば、ベリーが包み方を教えられること、そして、今この場で作れる料理を考えた際に餃子が一番的確だと感じたからだ。


 オーク天丼を作った後で、俺が魔導釜を【ストレージ】にしまってしまった為、まず、米が炊けないのだ。


 更に言えば、俺が小さくなったせいで【ストレージ】や“買い物袋”から取り出したものまで全てミニサイズという予想を裏切らない展開になっている。


 まあ、取り出した鍋や食材に潰されてジ・エンドなんて展開は本当に勘弁だからな。


 苦笑いをしながら、食材に潰される自分の姿を想像すると何とも笑えない姿だと改めて想像を打ち消していく。


「何を、へんな顔して遊んでるにゃ〜!」


 両手をテーブルにのせて、ギラギラとした目を向けるニアが声をかけてきた。


 まるで、ネズミの玩具を前にした猫のようなニアの姿に俺は僅かな危機感を感じつつ苦笑いを浮かべながら返事をする。


「遊んでないから、なんか迫力がすごいから!」


「いいから次の作業を教えるにゃ? 教えないとニア達が役に立てないにゃ〜!」


 小さくなって、少しビビってしまっている自分が情けないなぁ。ただ、本当に迫力がすごい、まるでライオンを前にした小動物になった気分だな。


「ああ、悪い、次は餃子の皮を作るから頼むよ。俺は口しか出せないから、本当に悪いな」


 軽く説明と感謝を口にしてから、粉の計量とふるいの作業に入ってもらう。


「薄力粉200グラム、強力粉200グラムね。皮から作るなんて初めてよ。こっちに来てから、餃子の皮作りをするなんて思わなかったわ」


 ベリーが量りを見ながら丁寧に計量していく。


 そんな様子を見ていたミトが自身で計量した粉をふるいにかけていく。


「なんで、こんな面倒臭い作業をするんだよ! 適当に混ぜたらいいだろうが?」


 俺の指示で合わせた小麦粉と強力粉を混ぜる、ミトは文句を言いながらも淡々と作業を進めている。


「悪いな、でもな、ダマをなくして、さらにふるいにかけるとよく混ざるから頼むよ」


「ふん、分かってるよ! だから、しっかりやってるだろ! 次はどうしたらいいんだよ!」


「そうだな。ただ、ここを確実にしないと後で泣くことになるから、もう少し頼むよ」


 嫁ちゃん達が粉をしっかりふるいにかけたのを確認してから次にお湯を沸かしてもらう。

 ここでいうお湯は50度程度であり、グツグツと沸かす必要はない。


「次はお湯だ。今日は焼き餃子だから、50度くらいの温度がいいだろうな。ベリー、温度管理を魔法で頼んだりできるか?」


「はいはい、任せて、今49度だから、あとちょっとね」


 ベリーが温度管理をしてくれるおかげで、俺は心配なく作業を見守っていく。


「50度、ぴったりになったわよ。とりあえず、鍋を火から移動するわよ。ナギ、頼める? あ、火傷しないように気をつけてね」


「わかった。ナギはコレくらいの温度で火傷しない。大丈夫」


 ナギが満足げに頷くとお湯の入った鍋を移動していく。


「よし、そのお湯を粉に回しながら、かけていくんだ。入れ過ぎないように調整してやってくれ」


 嫁ちゃん達が粉とお湯を混ぜ合わせていく。


 ドーナがグワングワン! と混ぜ合わせていくとニッコリ笑いかけてくる。


「こうなの、完璧な手捌きなの!」


 ドヤ顔で混ぜるドーナの顔にミアとニアが横から負けじと混ぜる姿に俺は軽く苦笑した。


 ニアが器用に粉を切るように混ぜると、ミアも負けじと真似して必死に混ぜ合わせていく。


「ドーナ、ミアも、そんなに力を入れすぎなくていいぞ! 粉をつぶさないように、ふわっとさせるように回すんだ」


「オッサン、そうなのかよ!」

「なんで早く教えてくれないの! ドーナ全力で混ぜてたの!」


 なぜか、俺が怒られる結果になったが、ここからは生地をこねる作業に入る。


「よし、ここからは生地をこねるから、しっかり小麦粉を手につけてくれ」


 俺が説明を終える前にフライングしたペコとグーが生地に手を突っ込んでおり、あっという間に手がべったべたになっていた。


「「ああ! 主様……うぅ、いい所を見せたかったのに……」」

「ごめんなさい」

「ごめんです」


 俺は2人の「いい所を見せたかった」という言葉に優しく微笑みを浮かべていた。最初の頃の二人を考えたら本当に成長したと思う。


「ペコ、次は頑張らないと!」

「うん。グー。もう一回だよね! 頑張らないと!」


 グーが豪快に生地をこね始め、ボウルがミシッと音を立てる。


「ちょ、ちょっと待って! 壊れちゃうよ、グー!」

 ペコが慌てて両手で待ったをかける。


 そこからは互いに力を合わせながら、生地をしっかりとこねていく。


「……ペコ、2人なら大丈夫だね」

「う、うん……たぶんね……」


 少し歯切れの悪い様子の2人だったが、それでも楽しそうに見える。


 嫁ちゃん全員が生地をこね終わったため、次に生地を休ませていく。


 生地をボウルに戻してから乾いた布を被せて、その上に濡れた布を掛けて15分程度休ませていく。グルテンが落ち着かないと伸ばしたときに生地が縮んでしまうからだ。


 休ませた生地を次に成形する作業に入る。


 俺達の行動を見ていた数名の兵士が不思議そうにこちらの様子を確認しているのが分かるが、話しかけてくる様子はない。

 やはり、フライちゃんやミトとの一件があったせいか、警戒の眼差しにすら感じる。


 視線が気になるが嫁ちゃん達は別段気にしている様子はないため、予定通り成形作業に移っていく。


「休ませた生地を半分に分けて棒状に伸ばし、2センチ幅で切ってくれ。ベリー、最初にやってみてくれるか、一個10〜20グラムくらいで頼む」


「はぁ、わかったわよ。でも、グラムまで責任持てないわよ?」


 そう言いながら、しっかりと均等に切り分けるベリーはさすがだと思う。


「「ベリー様、コレくらいですか?」」


 グーが切った生地をペコが首をかしげながら、ベリーに見せていく。


「ちょっと大きいかも……」と笑みを浮かべながらベリーが優しく調整していく。


 切ったら丸めて片栗粉を振った台に並べていく。綺麗に丸められた玉が並ぶテーブルは少し不思議な雰囲気にすら感じるな。


 丸めた生地をめん棒で伸ばしていく。中心から外に向けて、回しながら7〜8センチの円にしていってもらう。


 ペコが一生懸命、生地を転がすが、だんだん楕円形になっていく。


「ペコ、グーがやるから、見てて、こうだよ!」


 2人で餃子の皮を広げていく。何とか形になっていくとニアが声を上げる。


「見るにゃ! ニアみたいに耳が生えてるにゃ〜」


 ニアが耳付きの餃子の皮を見せると、全員が笑い、明るい雰囲気で作業が進んでいく。


 できた皮は片栗粉を多めに振って重ならないようにして並べていく。


 あまった片栗粉は後々、餡掛けにでも使うとして


 餃子の皮作りがやっと終わりを迎える。


「よし、これで下準備は完了だな。みんなお疲れ様

。包む作業が一番戦争になるから、その時も頼むよ」


 次は中に入れる餡作りになる。まだまだ作業は続くから、みんなには、もう少し頑張ってもらわないとな。

読んでくださり感謝いたします。

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