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みんなが断った異世界転移☆暇な日、限定で揚げもん屋『フライデー』をやってます。  作者: 夏カボチャ 悠元
6章 砂漠の街オアシス都市 [ガルド・デゼール]下

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142話、嫁の圧力とデジャブ、エオナ中佐は美人です。

 メイド長エリプエールさんの声かけもあり、メイドさん達を含めたプリンアラモードの試食会が終わりを迎えた。


 俺はそのまま、メイド長エリプエールさんに挨拶を済ませると嫁ちゃん達を連れて、アクティさんの容態の確認をするため、療養中の屋敷へと向かうことにする。


 いきなりの大人数での訪問になってしまったが、メイドさんが昨日同様に屋敷の中に案内してくれ、軽くアクティさんの様子を見た。


 目をつぶり寝ていることもあり、俺は静かにその場を後にして、お粥をつくるための食材をいくつか置いていく。


 嫁ちゃん達も知らぬ相手ではないため、アクティさんを気遣いながらも、長居しないようにして帰ることにした。


 俺達が解体広場に帰ってきた時、何故か、ミトの解体場の前に軍服姿の2人の男性が立っており、解体場の扉をノックしていた。


「──留守なのか? どうする」

「いや、何とかして探そう。他の倉庫に居るかもしれんからな」


 そんな声が聞こえてきたことからも、俺達に用があるのは明らかのようだったので、俺は相手に聞こえるように声をかける。


「おーい? なんか解体場に用事か?」


「あ、失礼。キンザン殿とお見受けしますが間違いないでしょうか?」


「あ、あぁ、間違いないが、どちらさん?」


 俺の返事を聞いて、すぐに姿勢を正して敬礼をすると軍服姿の男が来た目的について、説明してくれた。


「我々は、エオナ中佐よりの命令にてこちらにまいりました──『フライデー』リーダーであるキンザン殿をお呼びするようにとのこと、どうか、ご同行していただきたく存じます」


 深く頭を下げる姿に俺は軽く悩みながら、一緒に戻ったばかりの嫁ちゃん達に視線を向ける。


 視線に気づいたミアが兵士に向かって疑問を問いかける。


「なぁ? アンタらに命令したエオナって誰なんだ。少なくとも、メフィス達からは聞いたことがない名前だけど?」


「そうだにゃ、ニアも色々な話を聞いたりしてるけど、初耳の名前にゃ? むしろ、にゃんで、キンザンを呼んでいるのか気になるにゃ?」


 疑うような視線を軍服姿の男達に向けるミアとニアに俺は軽く注意をしてから、話を聞いていくことに決めた。


「えっと、すまないな。それでそのエオナ中佐さんはどこに俺を呼んでるんだ?」


「はい! 行き先はグリド商会の本店であり、既にルフレ殿下の許可もいただいております! 内容については、大変申し訳ありませんが、到着してから話したいとのことであります!」


 内容が分からないが来てほしいって、本当に嫌なパターンなんだが……


「仮に俺が断るとどうなるんだ?」


「……我々が至らぬ点があったと判断され、処罰されますが、無理強いは出来ません……」


 明らかに絶望的な顔をする男達に俺は小さくため息をついた。


「はぁ、わかった……みんな行くぞ。次はグリド商会だ」


 俺の言葉に嫁ちゃん達が頷くとすぐにグリド商会に向かって移動を開始する。


 本来、客の出入りに使うための大きな扉があり、その前には複数の槍を装備した兵士が見張りとして立っており、俺達の姿を確認するとあっさりと中に通してくれた。


 グリド商会の入口から入ってすぐにある職員通路と書かれた扉から奥に続く通路。

 道なりに進むとそこには無駄に煌びやかな作りの装飾品がこれ見よがしに壁や天井を彩っており、行き過ぎた装飾にため息が無意識に溢れ出していく。


 過去の成金趣味で作られた取引先の応接室を延長したような通路に頭が痛くなる。


 それから案内された会議室と書かれた部屋の扉の前で止まる。


「こちらがエオナ中佐がお待ちの部屋になります」


「ルフレ殿下は?」


「はい、ルフレ殿下、並びに、メフィス様方は別室にて、調査などをされている最中で御座います」


 軽く説明された後に俺達は会議室の中に通される。


「失礼いたします! エオナ中佐。キンザン殿をお連れいたしました」


 エオナ中佐と呼ばれた人の姿を見て、俺は驚いた。


 そこには白銀の美しい長い髪を後ろに縛った長身の女性が立っていた。


「よく来られたな。キンザン殿。いきなりの呼び出しという形の無礼、許されよ。こちらも急ぎでな……」


 なんだか歯切れの悪い感じの言葉に俺は何と返事をするか分からずにいた。


「そう、緊張しないでくれ、むしろ、頼みがあり、呼び出す形になっているのだからな」


 美人が困ったような表情を浮かべる最中、俺がエオナ中佐を美人と認識しているためか、フライちゃんから無言の圧力が向けられている。


 エオナ中佐が緊張しないように口にしてくれたが、事実はフライちゃんから出される威圧感とそれに気づいた嫁ちゃん達からの追撃的な疑いの視線によるものだ。


 空気を変えたい俺はとりあえず、話を進めることに決めて質問を口にする。


「なんで俺が呼ばれたか、聞いてもいいですか?」


「そうだな。なぜ呼ばれたか分からないままでは、そちらも困るだろうしな……すまぬが聞いてくれ」


 肩の力を落とすように、小さくため息混じりの言葉に俺は覚悟を決めて、真剣な表情を向ける。


「実を言えばなのだが……ルフレ殿下がよく分からぬが、キンザン殿のプチンアレモード? を食べれなかったと機嫌が悪くてな、空気がそのせいか、かなり悪いのだ」


「え?」と、俺はまさかのエオナ中佐さんの言葉に耳を疑ってしまった。


「驚くだろうが、ルフレ殿下は力もスキルも強力であり、思考も立派な方なのだが、その反動のせいか、幼い部分が表に出ると手が付けられないのだよ……」


 再度のため息に俺は同情した。たまにいるタイプだな……才能もあり、立派なのに暴走すると止められないタイプ……

 普段がいい人過ぎて、恨めないタイプって奴だな。そんな人物が国王って立場なら、どうしようもないだろうなぁ……


「はぁ、分かりました。ただ、プリンアラモードを今更作っても余計に拗れる可能性があるんで、別の形でアプローチします」


「え、アプ? 何をするんだ?」


 不思議そうに俺の顔を見るエオナ中佐に俺は軽く愛想笑いを混ぜながら口を開く。


「えっと、別の形で何とか機嫌を取りますから、安心してください。すぐに取り掛かりますから」


 イライラしてて、腹も空いてるなら、丼物がいいだろうか?


 カツ丼なんかもいいが、今はもっとインパクトのある味がいいだろうな。


 俺は少し悩みながらもいくつかの目星をつけている丼を頭に想像していく。


 そんな考える俺の姿に嫁ちゃん達は嫁ちゃん達で行動を開始していく。


 エオナ中佐に嫁ちゃん達が調理場の場所を聞き、俺を引っ張っていく。


「オッサン。悩むのは厨房でだろ! 会議室で悩んでもいい味には辿り着けないって!」


 ミアの言葉に嫁ちゃん達が俺を掴み上げて、調理場へと連れてかれる。


「うわ、ちょ! ナギ、やめ、まってくれ!」


「何とも賑やかな……」


 問答無用で連れていかれる俺を見ながら、エオナ中佐がつぶやく声が聞こえた。


 調理場に到着した俺は室内にいた複数の兵士から睨まれながら槍を向けられる。


「何者だ! なぜ、ここに来た!」


 いきなり、調理場に来てしまったため、話は通っておらず、亜人種を含む嫁ちゃん達を見て焦っているのか、兵士側には緊張の雰囲気が目に見えて明らかだった。


 そんな、まさかの状況に背後から声が掛けられる。


「お前達、安心しろ、この方達はルフレ殿下並びに、メフィス魔導中将、エオナ中佐方の御客人だ……それを聞いても槍を向けるならば、軍法会議ではすまぬと覚悟してもらわねばならぬ」


「し、失礼いたしました。キミル魔導中尉!」


 背後から掛けられた声の主に兵士達が敬礼をする姿を見て、俺が振り向く。


 そこにはメフィスの部下であり、警備兵団に潜入していたキミこと、キミルが立っていた。


 立派な軍服姿にどこか威圧的な雰囲気は、警備兵団に潜入していた時よりも厳しいものに感じる。


 俺の表情がぎこちなかったせいか、明らかに不機嫌そうな目でこちらを睨むキミ。


「人に助けられて、ありがとうくらい言ってほしいものですね。それともキンザン殿は、今の顔が感謝の表情だと言い張るのか? そうならば、受け入れるが」


「いや、そんなことは、いきなりでびっくりしたんだよ。キミ、助けてくれてありがとうな。助かったよ」


「まぁ、メフィス様が、キンザン殿が呼ばれたと聞いてすぐに見張りと護衛を含めて私を送った感じですね。なので、助けるのが任務です」


 笑うキミに俺が笑い返すと、どこか嫁ちゃん達から冷たい視線を向けられた。

 エオナ中佐の際もあったが、なんかデジャブな気がする……


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