第十五話
その後私達は先程の席に戻り観戦へと戻る。試合が思ったよりも早く終わってしまったからか、ステラさんとの都合が合わず今回は見送りとなる。
第三試合は天上天下、第四試合は百鬼夜行が勝ち抜き、私達は準決勝へと駒を進めた。
マリンさんとリンネさんはいそいそと先にログアウトしたのたが何かあるのだろうか?
リアルではもうすぐ20時ということで一旦ログアウトして夕食。
カラオケでスイーツを沢山食べたから軽めに用意した。
食事を終え後片付けをしているとインターホンが鳴り、毬萌さんと初音さんが大きな荷物をぶら下げやって来る。
「ということでお世話になるし。茜、良いよね?」
「うん、構わないよー。部屋は余ってるからねー。そこの扉を開ければ隣の部屋につながってるからそこ使ってねー。」
と、茜さんが指差した方向には私と深雪さんの部屋の間にある、今まで開けたことのない扉がある。
さっきのあれ、本気だったんだ…すごい行動力だ。
どうやら隣の一室に繋がっているっぽい。
お邪魔させてもらうと同じような間取りの部屋が姿を現した。
「構造上の話をするとここが角部屋でマリリンの部屋が二室め、合計で五部屋繋がってるよん。」
「ほへぇ。凄いね、朔久耶ちゃん。」
「これだから成金は…まぁ茜の趣味がふんだんに表れていますね…でも…私も美空お姉様と同室で暮らし…ゲフンゲフン、何でもありません。」
「ふむ…茜、一つ提案が有りますわ。わたくしと瑠奈にも一室貸しては頂けないでしょうか?自宅からログインするよりもここの方が近いですし、何より皆さんの顔を間近に見られるこの環境。とても良いと思うんですの。」
「ほえ?全然構わないよー。そうだねー、皆でお料理配信とかも楽しそうかもねー。スタジオ部屋も久々に片付けるかなー。ちょっと待ってて。」
そう言い茜さんは毬萌さん達の部屋の玄関から出て一番奥の部屋へと向かう。
数分すると戻ってきた茜さんはニコニコしながら口を開いた。
「どうやらハウスキーパーさんが定期的に来てくれてるみたいだから残りの三部屋も使えそうだよー。世麗那とももちぃは真ん中ね。ほい、鍵!」
「ありがとうございますわ。早速家具の搬入を手続きしましょう。ね、瑠奈。」
「そうですね、お嬢様。先輩、気配り有難うございます。」
「良いって良いって!美空ちゃんは世麗那の隣の部屋使いなよー。朔久耶にも合鍵渡しとくねー。」
「え、でも…?」
「それなりに収入も有るんだし、プライベートな空間は必要でしょ?(朔久耶が美空ちゃんと同じ部屋に居たいみたいだから少しだけお願い聞いてあげてくれないかな?)」
あぁ、そういうことか。
私としては姉と慕ってくれている朔久耶ちゃんを無下に扱うつもりは無いので賛成である。
既に私の中では朔久耶ちゃんは妹同然だ。
前からこんな可愛い妹が欲しかったので私としては満足である。
「有難うございます。大事に使わせて貰いますね。朔久耶ちゃんもいつでも来ていいからね?」
「あ、え…はい!毎日行きます!」
「フフフ。流石にお勉強とかは自室でしようね。来る前に連絡してくれれば嬉しいかな。」
「あ、そうですよね。お姉様にも交友関係とか有りますし、忙しい時も有りますもんね。分かりました、お邪魔する前にご連絡します。」
「うん!あ、そろそろ次の試合の時間じゃないですか?」
「忘れてたー!このまま決勝まで勝ち進もう!」
「「「おー!」」」
尚、このやり取りの間、食べるのが遅い深雪さんはマイペースに食事していた事を記しておく。




