EP 53
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「こうなったらとことん、やってやろうと思ってる。姉貴、色々と協力して欲しい」
(ようやくやる気になったってわけね)
真剣な表情。仕事モードの昴は、姉の立場から見てもなかなかイケメてる。
「わかったわ。で?」
「普通のビフォーアフターはやめて、このまま優里さんをモデルデビューさせる気か、ぐらいの本気の作品を作りたいんだ」
「中途半端はなしってことね」
「ああ。本当はみんなに見せたくないって気持ちもあるけれど……優里さんが協力は惜しまないって言ってくれてるし……その……せっかく撮るなら可愛く撮ってあげたいんだ」
「うん。その方が喜ぶと思うわ。っていうか、絶対に優里ちゃんの自信に繋がると思う」
「だよね。ほんと自分に自信がないって、もう口癖になっちゃってるからね。それに自分なんてってよく言うんだけどさ。もっと前向きになって欲しくて。もう十分、優里さんは明るいし、周りの人を明るくしてくれてて、あんな良い子はなかなかいないよ」
「もちろんよ! 昴! やっちゃえニッサンよ!」
「おう!」
「じゃ、とりあえず、私の知り合いの映像作家、星野さんを紹介するから」
「え? 映像作家? その人何歳なの? 顔は? 年収は? 趣味は? ヒゲは?」
「星野さん? えっと確か歳は、62さ、」
「わかったオッケー。それでいい。じゃあ映像スタッフは?」
「斉藤さんを紹介するわ。斉藤さんはね、カメラマンでうちのブランディング動画を撮ってくれて、」
「そいつは何歳なの? 顔は? 年収は? 髪はふさふさ?」
「知らないわよ! でもまだ若くてイケメンよ」
「え!? 他に枯れたカメラマンはいないの??」
「昴っっ! その恋人目線と判断基準のウザ絡みやめてくれる?」
「わ、わかったよ……」
ふう。これだから恋愛初心者は。
「洋服は、優里ちゃんの権現株式会社に頼みましょう。向こうも宣伝になるだろうし、助かるはず。ウィンウィンで一石二鳥だわ」
「えええ、あそこには台湾バナナがいるからなあ」
「ん? 台湾産だったっけ? ま、バナナヤロウくらい、退治できるでしょーよ」
「はいはいわかったよ。そうだな。敵情視察も兼ねて。じゃ手配をお願いするよ」
「任せておいて!!」
楽しくなってきた〜〜。
「あ、姉貴! あの筋肉抱き枕、まじでジャストミート。ミートだけにまじで感謝」
「ふん。でしょうね」
優里ちゃんのスマホ、チラ見したら待ち受け画面が、なーんか肌色一色だったんだよねぇ。これはもう絶対シックスパックだって勘が当たったってわけね。
私って凄いっっ天才すぎるわ (● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾




