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EP 17

「は? なんて?」

耳を疑ってしまった。

「白ちゃん、最近綺麗になったよね。モデルやってみない?」

私は今、『強』に設定してある冷凍庫で3年間ほど放置されていたガリガリくんほどに、固まってしまっている。

権現亮(ごんげんりょう)すなわち私の職場である会社の社長が、あり得ないことを提案してきたからだ。

権現(ごんげん)株式会社』。名前はイカツいが、これでもオシャレ系を目指すアパレル会社。ネット通販でファッションブランドを手がけていて、私はここで事務の仕事をしている。

「白ちゃん、背が高いから綺麗に着こなせるんじゃないかなと思って。大きめサイズでモデル頼めないかな」

「社長、もしかしてモデルさんにお支払いする謝金を浮かそうとしているのではないでしょうね?」

「ええーそんなこと……あるよ!」

やっぱり!

「とにかくこれ着て! 今すぐこれ!」

渡されたのは、うちで取り扱っているLLサイズのワンピース。ニットのカーディガンとセットで、売り出そうとしている商品だ。

「嫌ですよ、モデルなんて」

けれど社長がグイグイ押し付けてくる。

「いいからいいからちょっと着てみるだけでも、ね?」

首を傾げて、クーンと仔犬のように見てくる。だが、アラ還のおじさんがクーンはアウト。

「着てみるだけって……だって顔出るでしょ?」

「顔出しはしない」

「うちのモデルさん、みんな顏出ししてるじゃないですか!」

「なぜならそれはモデルだから」

「ならモデルさんに頼めばいいじゃないですか」

「今月は赤字でお金がない」

「ひぇっっ」

無表情で怖いことを言う。今月のお給料、ちゃんと出るかなあ。

「とにかく白ちゃん、最近ほんと綺麗になったから。細っそりしたし、肌もツヤツヤだし!」

ぐいっと押されてワンピースと一緒に試着室へと放り込まれた。シャッとカーテンを引かれる。

「とりま試着終わったら声掛けて。僕、そこら辺で草むしりしてっから」

はあ。´д` ;

とりあえずワンピースを足から入れて、ぐいっと上へと引き上げる。

LLじゃ入んないよと思っていたけれど、意外にすんなりと背中のジッパーが上がった。

「あれ? 私ってば、結構痩せたのかな……」

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