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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

怖い話

見つけてあげる

作者: 腹黒兎
掲載日:2021/07/24


「どーこかな。どーこかな」


真莉亜(まりあ)はキョロキョロしながら歩きまわった。

テーブルの下を覗き込んだが、パンの袋や空き缶しか無い。

お風呂場にもトイレにもいなかった。

アパートの狭い部屋で隠れる場所はそんなに多く無い。

真莉亜はうーんと腕を組んで首を傾げる。

入口から始めてみよう。

靴箱を開けて探したけど見つからない。

台所の隅に置かれた段ボールを覗いたら丸いお尻が見えた。


「みーつけた」


テレビのある部屋にはママのお洋服と紙袋がたくさんある。

山のように積まれた洋服の中に紙袋があった。その中に小さな足の先が見えた。


「みーつけた」


隣のお部屋ではママがぐーぐー寝てる。

起こすと酷く怒られる事が多いので、そこは後回しにしてベランダへ行く。

沢山のゴミ袋の隙間から、ママみたいに赤くなった小さな爪が見えた。


「みーつけた」


真莉亜は嬉しくなった。これで三連続の当たりだ。

後は妹の梨里亜(りりあ)だけだ。


「りーちゃん。りりあちゃーん。どこー?」


梨里亜はまだ小さいから狭いとこに隠れてるかもしれない。

もう一回、入口から探したけど見つからない。

残るはママが寝ているお部屋だけ。

そっと行けば大丈夫かな。

襖をちょっと引けば、ママのいびきが聞こえて来る。

音を立てないようにそっと入り込む。


「りーちゃん、どこですかー?」


起こさないように小さい声で問い掛ければ、押入れからカタリと小さな音が聞こえた。

押入れの中はぐちゃぐちゃしてるから探しにくい。

「りーちゃん」と名前を呼べばカタ、コトと小さな音がする。

その音を頼りに奥にあった箱の中でようやく梨里亜を見つけた。


「りーちゃん、みーつけた」


にっこりと笑うと、梨里亜もにぱっと笑って手を伸ばしてくれた。


「りーちゃん、おねーちゃんと行こうね」


まだ言葉も話せない小さな妹をギュッと抱きしめて、真莉亜は笑った。

慣れた仕草で抱っこをすると、床に散らばった物を器用に避けながら出口へと向かう。


「だいじょうぶ。おねーちゃんがいっしょだからね」


縦抱きにした妹の背中をぽんぽんと叩いて、真莉亜はドアを開けた。









【次のニュースです。2人の子どもを虐待死させたとして22歳の母親が逮捕されました。母親は自身が住むアパートで2人の首を絞めて殺し、姉の真莉亜ちゃん(4歳)の遺体を切断して隠し、妹の梨里亜ちゃん(1歳)をクーラーボックスに入れて押入に隠していたということです。

異臭がすると警察に通報が入り、逮捕となりました。この件について児相は–––––––】


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