表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/23

義高様はお人形?[1]

その日は、朝から姫はドキドキわくわく。

だって!だって今日は待ちに待った義高様との対面の日なんだもの。

今日まで、ずっとずっと考えていたの。

義高様はどんな方かな?

義高様は何が好きかしら?

義高様とどんなことして遊ぼう?

何をしたら一番楽しいかなって。

考えるたびにウキウキした気分になって、なんだか病気もつらくなくなるような気がしたのよ。

だって、今まで姫の周りには侍女しかいなくて。

初めてできる、お友達。

それも、とびっきりのお友達!

侍女達に毎日のようにすがって聞いた、昔語りに出てくる夢のような〝お婿さん〟。

す~っとず~っと姫と一緒にいて、姫と一緒に泣いて、笑って、悩んでくれる人。

うれしいな。

姫にお友達ができる。

姫に遊んでくれる人ができるんだもの。

姫はあんまり走ったりとかできないから、おいかけっこはできないけど、かくれんぼならできるかもしれない。

それがダメならお部屋で遊ぼう。

ひいな(人形)遊び(あそび)やいしなとり(お手玉)はやめよう。女の子の遊びだものね。きっと義高様はなさらないわ。

あ。でも、いしなとりなら、見てるだけでも面白いかもしれない。

姫の得意な遊び。

きっと驚くと思うの。

何たって、この前ついに、5つの玉を回すことに成功したんだから!

あと、双六をしよう。

うん。これなら、男の子もやるよね。

あと…あと、あと、あとは囲碁も…できる、かなぁ?

実は、姫はまだ侍女に習い始めたばかりで囲碁はあんまりうまくない。

義高様は、楽しんでくれるかなぁ?

ちょっと心配。

とにかく早くお会いしたいな、義高様に。

対面は夕刻ごろになるだろう、ってお父様はいってらした。

まだかなぁ、夕刻。

見れば、部屋から御簾ごしに見る日は、まだまだ高くて。

桜が焦る気持ちを抑えるように、まだかまだかと咲きかけていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ