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その39の2『世界の終わりの話』

 日本地図が掲載されているページの次のページ。そこには世界全体を描いた地図が載っています。そちらにページを移し、亜理紗ちゃんは知恵ちゃんと一緒に日本の場所を探します。その真ん中に日本列島を見つけ、亜理紗ちゃんは凄い発見をしたとばかりに声を出しました


 「……すごい!真ん中にあるから、日本が世界の真ん中だ」

 「……真ん中とかあるの?」


 日本が世界の中心なのか知恵ちゃんは疑問を浮かべていますが、それはさておき亜理紗ちゃんはアメリカの場所を知りたい様子です。大きな大陸がアメリカに違いないと考え、亜理紗ちゃんは日本の左上辺りにある広い部分へ視線を向けています。


 「……ない」

 「もっと右の、こっちじゃないの?」

 「……ほんとだ!」


 知恵ちゃんが先にアメリカの文字を見つけ、その場所を亜理紗ちゃんに教えてあげます。亜理紗ちゃんはアメリカの形を観察すると、その形を漠然と例えて口に出しました。


 「……走ってるワンちゃんの形だ」

 「……そうかな?」

 「……みかん色なんだけど、アメリカは燃えてるの?」

 「そうだったら、紫の国とかもあるんだけど……」


 世界地図は国の境目が解りやすいように色をぬられていて、アメリカはオレンジ色に塗られています。アメリカが燃えているとすれば、他の国の方が危険な色をしている事になるので、亜理紗ちゃんは知恵ちゃんの説明に納得しました。


 「……?」


 世界地図のの色分けを見つめている内、亜理紗ちゃんの目線は世界地図のはしっこに辿り着きました。


 「……あれ?もしかして、ここで世界は終わりなの?」

 「……え?」

 「こう、ぐわっーっと壁が立ってて、先に行けなくなってるの?」

 「アリサ。地球は丸いから、はしっこに行くと地図の逆側に出るんだよ」


 知恵ちゃんが亜理紗ちゃんの想像力に飲まれて困っていると、それを見た亜理紗ちゃんのお母さんが、世界地図の右はしと左はしは繋がっていると教えてくれました。そして、お父さんの部屋に地球儀があるから、それを見てくるようにと言います。


 「お父さんの部屋の地球儀、見てきたら?」

 「入っていいの?」

 「散らかしちゃダメだよ」


 お母さんの勧めを受けて、亜理紗ちゃんと知恵ちゃんはお父さんの部屋に向かいます。お父さんの部屋の本棚の近くには地球儀が置かれており、地球儀には英語でたくさんの国名が書かれています。教科書の世界地図と見比べながら、亜理紗ちゃんは知恵ちゃんと一緒に日本の場所を探します。


 「すごい回る!」

 「あんまり回すと壊れそう……」


 もう亜理紗ちゃんは地図を見るよりも、地球儀を回す方が楽しくなってしまいます。急激な勢いで回転している地球を見ていると次第に、亜理紗ちゃんは何かに気づいて遊ぶ手を止めました。


 「……ちーちゃん。これ」

 「なに?」


 地球儀の裏をのぞき込んだり、下から見上げてみたりしながら、亜理紗ちゃんは知恵ちゃんに尋ねました。


 「……どこまで行っても地球だから、もしかして私たち」

 「……」

 「地球に閉じ込められてるんじゃないの?」

 「……んん?」


 亜理紗ちゃんの不思議な発言を受けて、知恵ちゃんも地球儀の周りをぐるりとのぞきます。そして、平然と答えを返しました。


 「……たぶん、そうなんじゃないの?」

 「……ーッ!」


 世界の真理に気づいてしまい、亜理紗ちゃんは声にならない声を出しながら、手で恐怖心と顔をおおい隠しました。でも、知恵ちゃんは別に怖がるでもなく、口先をとがらせながら亜理紗ちゃんに言いました。


 「でも、アリサちゃん……沖縄も行ったことないでしょ?」

 「……うん」

 「世界地図のはしっことか、たぶん行かないでしょ?」

 「きっと行かない」

 「……じゃあ、いいんじゃないの?」

 「……うん」


                               その39の3へ続く


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