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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
第7章 温泉旅行と夏休み
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第96話 先生と温泉


~~ホテル男湯~~

 今は先生と二人で入浴中。


「先生」

「どうした?」

「先生はどうしてこっちの方に住んでるの? 塩基町じゃないの?」

「ああ、それか」


 これだけは先生から聞いてないんだよね。


「ティルが死んだ後に音色を育てるために研究所に預けたんだよ。それで翌年に俺は元の高校に戻ることになったんだ。その時に音色もいるし折角だから引っ越そうってなってな。こっちの方に引っ越したんだよ」


 意外と普通……何か他にはないのかな……


「他には何かないの?」

「……一応あるぞ、だが聞きたいか?」


 何か暗い話のような気がするけどこういうのは知って置かないとね。


「聞いておくよ」

「そうか。俺と葵が引っ越した後にな、雪奈の両親が事故にあって死んだんだよ」


 え? おばさんたち死んじゃったの? だとしたら雪奈はどうしたの?


「その後雪奈が1人になったからティルの件もあってお義母さんが居候させてくれたんだ。

それで雪奈もこっちに来たんだけど、紅葉も雪奈たちと一緒がいい。とか言って紅葉もこっちに来たんだ」


 だからみんなこっちにいるんだ。納得。


「それでな……」

「いや、もうだいたいわかったから大丈夫」

「そうか。なら終わりにしよう。そろそろ上がろうか」

「そうだね」


 私は先生と一緒に部屋に戻った。


~~ホテル603号室~~

「「ただいま」」

「おかえりなさい、もうすぐ夕飯だから準備して」

「わかったよ。紅葉」


 私たちは夕飯の準備をして夕飯の会場に移動した。


~~ホテル会場~~

 ここは朝食の時と同じ場所で夕飯もバイキング形式になっている。


「ティア、先に取ってきていいよ」

「ありがとうママ」


 私は雪奈を席に置いて先に取りに行った。その間雪奈は武くんと話していた。どうせ温泉で何があったか聞いてるんだろうな……都合よくティナも居ないから自分がずっと見てた感じに語っても何にも問題ないからベラベラとしゃべってくれてるんだろうな……


「なあティアはどういうの取ったんだ?」

「私? 私はこういうのだけど?」


 私はお寿司と小さめのラーメンと野菜少々を武瑠に見せた。


「俺はこういうの取ったぜ」


 武瑠が見せてきたのはパンとご飯とお粥とラーメンだった。


「栄養大丈夫?」

「小さなティアにだけは言われたくないね」

「……ふーん」


 私はその場で立ち去って行った。生前なら小さいのは少ししか気にしてなかったんだけど、今だとすごい気になるね。


~~ホテル603号室~~

「お母さん、一緒に寝よ♪」


 音色が誘ってきた。


「うん♪」


 私は音色の布団に入る。


「じゃあ明日は私の所で寝ない?」

「いや、それなら音色か先生と寝る」

「「グハッ!?」」


 紅葉と葵にクリティカルダメージが入った。


「お母さん、紅葉姉さんたちと寝てあげなよ」

「仕方ないなー明日寝てあげるよ」

「……ホントにティアって音色に甘いよな」


 自分の娘に今まで何もしてあげられなかったんだから当たり前の行動でしょ?

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