第93話 温泉と葵の◯◯とティアと先生
~~ホテル603号室~~
今日はもう疲れたな。このあとは温泉に入れるね♪ 夕飯も美味しかったしここはいいね。
「ねえお母さんそろそろ行かない?」
音色が誘ってきた。
「よし、行こう。先生は一緒じゃなくていいの?」
「俺にどうしろと?」
「女湯?」
「捕まるわ!」
「じゃあ私たちが男湯?」
「お前、音色を男湯に入れるつもりか!」
「はっ!?」
しまった。そういうことは許さないな。音色が男の人と入浴なんてまだはやい!
「じゃあ音色行こうか」
「そうだね」
~~女湯~~
いやー凄い気持ちいいね。さっき音色に洗って貰ったし、この温泉最高!
「あれ? ティアちゃん?」
温泉でゆったりしてると音無さんがいた。
「音無さん、同じホテルだったんですね」
「そうですね。でも明日は帰ってしまうのでしばらくは会えませんね。私はもう上がりますので親子で楽しんで下さい。おやすみなさい」
「おやすみなさい」
音無さんは出ていった。あの人よく会うよね。
「ねえお母さん、お母さん顔赤くなり始めてるよ? そろそろ上がる?」
「そうだね」
ーー武視点ーー
~~男湯~~
俺と武瑠は男湯に来ていた。先生は葵たちが帰ってくるのを待つらしい。ん? 武瑠が寂しそうにしてるな……
「どうした武瑠?」
「……なんでもない」
そんな訳ないだろ……さては……
「ティアと一緒に入りたかったのか?」
「ブッ!? そ、そんな訳ないし!」
素直じゃねーな。そういえば、ティナも最初はこんな感じだったな。
「素直に言ったらそうするように取り繕ってやるぞ」
「……入りたかった」
突然素直になったな……ティアも愛されてるな……
ーーティア視点ーー
~~ホテル603号室~~
いいお湯だった……浴衣も着たし、あとは寝るだけだね。あれ? 今研究所ってどうしてるんだろう……
「紅葉、今研究所って誰がいるの?」
「今はお母さんたちが1週間だけ帰ってきてるからね。旅行は今日からにしたんだよ」
へー、紅葉のお母さん帰って来てるんだ。ってことは元ママもか……
「そういえばティアはどうなんだ?」
紅葉が聞いてきた。なんのことだろうか……
「なにが?」
「武瑠くんのことだよ」
あー、そんな奴もいたな…
「武瑠とはまあ、別に普通だと思いたい」
「思うじゃないんだ……」
音色、そこから先はダメだぞ……
「なあ、武瑠くんとは何処までいったんだ?」
「辞めろ紅葉! 音色にそういうことはまだはやい!」
「ホントに何処までいったんだよ……」
「うーん、とりあえず一線は越えてないよ?私は……」
「武瑠くんは越えたのか……」
「武瑠くんは凄いね」
音色まで言うか……あいつあれで小1とか、親は一体なにしてんだよ。どういう教育施してんだよ……とりあえず話を逸らそう。
「紅葉と葵は結婚しないの?」
「私はこんな感じだからね。いるわけないよ」
「私は……誰も……いないよ」
ん? 葵なんか怪しい……さっきから1人で携帯いじってたし、まるで誰かに連絡を取っていたような……
「紅葉! かかれ!」
「はっ!」
紅葉が葵の携帯を奪う。
「あっ! ちょっと!」
そして携帯の画面を3人で見ると彼氏らしき人物と『今温泉旅行に来てるんだ』とか『俺も葵と行きたいな』とか書いてあった。
「「葵! この人のことを詳しく!」」
「葵姉! 私にも!」
その時扉が開いた。そして先生が入ってきた。
「どうしたんだ? そんなに騒いで?」
「葵に……葵に彼氏が!」
私が答える。
「なんだと! 葵! それは本当か!」
「違うって! だから携帯返してよ!」
ピロリン♪
「「「ん?」」」
葵の携帯が鳴り、画面を見ると
『俺早く葵に会いたいな。今度一緒にデートしないか?』
「「「…………」」」
長い沈黙、そして私が口を開いたのは30秒後のことだった。
「葵、なにか言い訳は?」
「……ありません」
「今度会わせてよ♪」
「その時に俺が見極めてやる!」
「辞めて上げて、折角葵に彼氏が出来たんだから……私は葵が幸せになってくれればいいんだよ」
私は思ったことを言った。
「それもそうだな。だが、葵!本当に大丈夫な人かきちんと調べるんだぞ!変な人だったら困るからな!」
「そうだね。まあ、大丈夫だと思うよ」
「葵姉にも彼氏が出来たんだ……」
「音色も頑張ってね」
「うん♪」
「音色にはまだ早いぞ! そういうのはもっと大人になってから……」
12歳のロリ幼女を◯ませた癖に何を言っているんだ。
「それ、お父さんが言えた台詞じゃないと思うんだけど……」
我が娘ながら的確な台詞だ!
「うっ……まあいいだろう。もう寝るぞ!」
「「「はーい」」」
私は先生の布団に移動する。そして先生と添い寝をする。
「ティアどうしたんだ?」
「久しぶりにいいでしょ?」
「こうやって寝るのは久しぶりだな……」
「おやすみ先生」
「ああ、おやすみティル」
私たちは眠りについた。




