第70話 仕組まれたくじ引き
私たちが席に着いて寝たり本を読んだりしていると
「あなたたちあまりそういうことをすると机と椅子と本を取り上げるよ」
先生が言った。やれるもんならやってみろ、と思うがクラスで目立つのはあまり良くない。
私は本をしまった。そして優香ちゃんも起きた。否、目を開けながら寝ている。だが先生は気付いていない。そして運命の時だ。
「じゃあこれから四人班4つと5人班2つに別れてもらいます。決め方はくじ引きで行います。くじの中には番号が書いてあるので同じ番号の人たちで1班です。では番号順に引いていきましょう」
全員くじを引き終わり、班分けが始まった。
そして私の班は混沌になった。
メンバーは私、武瑠、優香ちゃん、中川くん(問題児の手下)、問題児
帰りたい……絶対先生仕組んだだろ!
「じゃあそれぞれ班ごとに好きなことをしてください」
仕事から逃げんな!
まあいい、本でも読んでよ。もう優香ちゃん寝てるし……どんだけ眠れるのかな? 少し気になる。
ちなみに武瑠も本を読み始めた。こいつが読んでる本は武くんが持っていた本だ。10年以上前の本を読むとはなんて物好きなんだ。
「おい、お前ら何勝手に自分たちの世界に入ってんだよ! 寝るな! 本を読むな!」
「「……」」
無視する私と優香ちゃん
「おら無視すんな!」
「お前ら生意気だぞ!」
こいつらからさっさと離れたい。
「おい、お前! 俺と付き合え!」
このバカはいったい何を言ってるんだ?
「武瑠返事したら?」
「お前に言ってんだよ!」
マジか。こいつあっち側の人間じゃなかったのか……
「私?」
「そうだよ!」
「なんで?」
「その髪がとても綺麗だからだよ」
「良かったね。武瑠」
「だから! なんで俺が男に惚れるんだよ! お前もデレデレすんな!」
「いやぁ、素直に誉められると意外と恥ずかしいな」
っ!? なんだと! コイツ……ツンデレじゃなくなってる!
「でどうなんだよ」
「私はあなたのことはとても強いと思うよ」
「だろ? だから俺と……」
「だが断る! この私が最も好きなことは強い奴の頼みをNOと断ることだ!」
「(ティアちゃん、あんな台詞まで知っているなんて……)」
「ふざけてんじゃねーぞ! お前のもの壊してやる!」
そう言って私の髪留めを奪おうとする。
「さわらないで!」
「オラァァ!」
「キャッ!」
私意外とこんな声出るんだなっと思ったのは全てが終わったあとのことでした。




