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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
第5章 ティアの日常
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第64話 ツンデレ幼児


 あれから2日後、今日は休みなので武瑠の所に遊びに行った。だって行かないと武瑠、怒りそうなんだもん。


~~研究所~~


「ティナさん、武瑠いる?」

「いるよ、ちょっと待ってて」


 ティナは武瑠を呼びに行った。


「ティアー! 久しぶりだな会いたかっ……ゲホッゲホッ! な、なんでもないぞ!」


 全く可愛いなぁ。これが噂に聞くツンデレって言うやつか。ティナもニヤニヤしてる。


「そう? 私は会いたかったけどなー」

「別に俺はお前となんて……」

「そう、武瑠は私とは会いたくなかったんだね……じゃあ今日は帰るよ……」

「そんな訳ないだろ! 俺だって会いたかった!」

「そうなんだ、素直になってくれて嬉しいよ」

「なんでにやけてるんだよ……」

「だって……」


 私はティナを指差す。すると、


「あらあら、武瑠はティアちゃんのことが大好きなのね」

「そんな訳ないだろ!」


 武瑠は顔を赤くしながら否定する。


「そうなんだ……武瑠は私のこと嫌いなんだね」


 私はティナに便乗。すると武くんがやって来て


「ティアちゃんはまだ小さいのに料理は美味しいし、家の手伝いもするからいいお嫁さんになりそうだね。ティアちゃんは結婚したい人とかいるの?」

「いるよ……」


 私はあえて恥ずかしそうに言った。すると武瑠は少し嬉しそうだった。子供って単純で面白いよね……まあ私は先生ともう一度結婚したいけど先生にダメって言われたんだよね。まあ先生にはティルって言う人がいるからティルスティアは引き下がるしかないんですね……


 そうだ! あの写真をこいつに見せたらどうなるかな? 二人に聞いてみよ


「ねぇ、ティナさん、武さんちょっといい?」

「どうしたの?」

「(武瑠にあの写真見せたらどうなるかな?)」


 こう言った瞬間二人は凄いニヤニヤとした顔をしてた。今すぐに写真を撮ってみんなに見せてやりたいけど、携帯もカメラもないから出来ないんだよね。


「武瑠、ティアちゃんちょっと見せたいものがあるんだけど」


 ティナはアルバムを取りに行った。


「これなんだけどね。私と武の結婚式の写真よ」


 ティナの花嫁姿が写っていた。我が姉ながらとても美しい


「ティナさん綺麗だね」

「ありがとうティアちゃん」

「で、武瑠この写真なにかわかる?」


 そこには左目を閉じて撮った生前の私の花嫁姿と先生の写真があった。


「……はあ? え? ちょっと待て! どういうこと!?」


 めっちゃ混乱してるな……同年代の私の印象と言ったら髪の色とオッドアイだもんね。その私が左目を閉じれば生前の私その物だもんね。髪は光の加減では銀色に見えなくもないからね。それにティルの時から少し白い感じあったし……


「これ誰だよ! ティアお前いつの間に結婚してたんだよ!」


 ここは今の私の本当のことを言おう。


「これは……義則さん? それと……私? でも()()まだこんなことしたことないんだけど」


 私はあえて武瑠に左目だけを見えないようにして言った。


「そんな訳ないだろ! 俺はお前のことが、大好きだったのに……」


 泣き顔で美味しい台詞貰いました~え? 幼児が泣いてるのにこんなこと思ってるお前ってキチ◯イじゃねって思ってる? 残念でしたー私を遥かに超えてニヤニヤしながら撮影してるお二人さんがそこにいますよ?


「なに言ってるの武瑠? これは私の妹よ?」


 真実を突き付けるティナ。


「え?」


 驚く武瑠。


「武瑠……そうだったんだね」

「武瑠よく言った!」


 ふざける私と武くん。


「え? いや? これはちが……」

「うんうんいいんだよ。嬉しかったよ。大きくなっても武瑠の気持ちが変わらないのなら私が結婚してあげるから」


 私は爆弾を投下しながら武瑠を慰めた。

そしてこのシーンをガッツリ撮影してるティナと武くん、後で映像ください。絶対に未来で使うんで……


「約束だぞ」

「うん約束」


 にしても写真の件はもういいのかな? 私がそこに写ってる花嫁に似すぎてることとか……

 こんなの音無さんに見せたら一発アウトだね。

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