第61話 喫茶店開店!
翌日……
私は今日から仕事がある。5歳なのに……法律ってなんだろ? え? 手伝いならセーフ? ふざけてるのかな?
「ティア、そろそろ準備して」
「はーい」
私は服を着替え制服で厨房に向かう。
制服は長袖のワイシャツに水色のベストと水色のリボンに膝下くらいまで丈があるスカートで靴下は白、靴は黒いサンダルっぽいなにか。
……これどこかで見た気がするな。
「じゃあ昨日説明した通りにお願いね。詩織さん来たら挨拶してね」
「わかった」
詩織さんは厨房で雪奈と一緒に作る。あれ? 配膳って私1人? ちなみに定休日は火曜日と木曜日の2日
「雪奈さんお待たせしました」
「詩織、こっちが私の娘のティアよ」
「ティアです。よろしくお願いします」
「よろしくねティアちゃん。目の色綺麗だね。でもどこかで会ったっけ?」
今の私も少なからずティルの面影を持っている。むしろ髪と目の色変えればティルだってわかるぐらい。
「そんなことないと思うよ? 私昨日初めて研究所から外に出たから」
「え! 昨日初めて外に出たって大丈夫なの雪奈さん!」
「大丈夫よ。もし何かあったらあなたがフォローしなさいほら、もうすぐ開店するよ」
開店2時間後……
客は見事に誰もこない。まあそれはそうだね。平日だし……向かい側に怪しげな研究所あるし……
カランカラン~♪
あっ……お客さんがきた。
「いらっしゃいませー」
昨日練習させられた接客サービス
「(白髪ロリ幼女ですね)」
「何名様でしょうか?」
「1人です」
「こちらへどうぞ」
私は席を案内し、水とお手拭きをだした。
「注文が決まりましたら呼んでください」
数分後…
「すいませーん」
「はーい」
「フレンチトーストとカフェモカください」
「フレンチトーストとカフェモカですね。少々お待ち下さい」
私は厨房に届けた。
「ママ、フレンチトーストとカフェモカお願い!」
「わかった」
ママがあの時とは比べものにならないくらいはやく作ってる……味は昨夜食べたので大丈夫。普通に美味しいかった。
「はい、できたよ。カフェモカはカウンターで詩織から貰って」
「わかった」
私は詩織さんからカフェモカを受け取りお客さんに届けた。
「お待たせしました。フレンチトーストとカフェモカです」
「ありがとう。偉いですねまだ小さいのにお仕事手伝ってるなんて」
「いえ、そんなことありませんよ」
それからその人はずっと何かを書いていた。
その間私は詩織さんにコーヒーの作り方を教わっていた。生前作ったものなら同じように作れるんだけど、今は習っていないと作り方がわからない。生前は作りたいと思うだけで作り方がわかったのに……
あっ、生前に作った料理を作ったらめっちゃ美味しかったです。ぶっちゃけママ……なんでもありません。
閉店前になるとお会計を頼まれた。
「お会計は810円です」
この人狙ってたのかな?
「はい、これで」
「ちょうどお預かりします。ありがとうございました」
「また、来ます」
「お待ちしています」
お客さんは帰って行った。結局今日来たお客さんは1人だけだった。ちなみに閉店は17時である。
「お疲れティア、夕飯食べるよ」
「うん、わかった」
この時私はすでに予測していた。もう明後日ぐらいには……




