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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
第3章 S期
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第36話 先生とティルとティルの全て


~~飯田家~~

 先生とお風呂に入ることになりました。


「ティル……洗ってやろうか?」

「……お願いします」


 前回と違って酔ってないから凄く恥ずかしい……


「ティルは髪綺麗だな、とてもサラサラだ」

「あ、ありがとうございます……」

「よし、流すぞ」

「はい」


 先生がシャワーを流してボクの髪を洗い終わる


「ティル体はどうする?」


 こんなこと言わせるのか……先生もなかなかいいご身分で……


「……全部洗って下さい」

「わかった」

「んっ……」

「もっと声出してもいいんだぞ?」


 え?今先生なんて言っ……


「ひゃあっ!? 先生どこ触って……」

「ティル、俺はお前が好きだ。お前はどうだ?」


 そんなの……決まってるじゃん……


「ボクも先生のこと大好きだよ」

「ティルいいか?」


 なんで今日の先生はこんなに積極的なの……


「うん、いいよ先生、ボクの初めて貰って……」

「ティル……」


ーー雪奈視点ーー


 さすがにこれ以上はダメだね退散しよ……


「雪奈ちゃんティルちゃんどうだった?」

「ティルちゃんは先生のものになったよ♪」

「そうなんだ……じゃあこれからはお母さんって呼ばないといけないね」

「そうだねティルちゃんはもう先生のものだからね」

「なあ話があるんだが……」

「紅葉?」


 珍しく紅葉が真剣な表情してる……


「ティルからテストが終わったら伝えるように言われたから話すが、ティルが病気を無力化するために薬で体を破壊して小さくなったのは知ってるよな?」


「うんそれは聞いたけどそれがどうしたの?」


「実はなティルの体は病気が進み過ぎて薬を飲んだらほとんど体が残らなかったんだ。だから細胞を無理矢理活性化させて今の状態になってるんだ……」


 え? それってどういうこと?


「細胞分裂には回数制限があってそれを無理矢理使い捲ったんだ、つまりティルはもう細胞分裂がほとんどできないっていうことなんだ」


 それってつまり……


「そうだな、近いうちにティルは血液や免疫細胞、皮膚とかが生成されなくなって……死ぬ」


 ティルちゃんが……死ぬ?


「なんで……どうして……」

「どうしてティルちゃんばっかりこういう目に会うの!」

「でもこれはいい方なんだよ二人とも」

「どういうこと?」


「あたしには5年前兄がいたんだ……兄もティルと同じ病気になってな……その時は前例がなくてな薬がなかったんだ……だから兄はすぐに死んだよ何も出来ないままな。だからティルはいい方なんだよ」


「ねえティルちゃんはいつまで生きられるの?」


「お母さんの予測が正しければ1月ぐらいから倒れたり具合が悪くなったりして2月ぐらいに倒れる回数が増えていって3月ぐらいに入院して4月に……」


「もっと早く入院したらもう少し生きられるんじゃないの?」


「いやそれは関係ないんだよ何月に入院しようとティルの体細胞が持たないんだ……だからティルは最後の最後までみんなと一緒に楽しみたいんだって……」


「じゃあ私達のことも忘れちゃうの?」


「それはないらしいよ、記憶されてるのは古い細胞だから生きてるうちに忘れることはないらしいよ」


 良かった……だったらする事は一つしかないね。


「残された時間を()()()のために使おう」

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