第33話 真実
ーーティル視点ーー
気づいたら先生と一緒にお風呂に入ってた……しかもさっき先生に体を……恥ずかしい……
「ティルどうした? 顔が凄く赤いぞのぼせたのか?」
「い、いえ、酔いが覚めただけです……」
「す、すまんじゃあ俺は先にでてるからな……」
「は、はい……」
そういって先生は出ていった……先生のアレ結構大きかったな……あれがいつかボクに……いやいやいやそれはない……だってボクは……
「ティルもう出ていいぞ……」
「わかりました」
あっ……服忘れた……取りに行かないと……
「ティルちゃん!? 服は!?」
「鞄の中にあるから取りに来た」
「いいからはやく着て、こんなところ見られたら……」
いやさっきまで全裸だったしおまけに触られたし……あうっ! 思い出すだけでも恥ずかしい……
「あれ? お姉ちゃんどうしたの?」
お姉ちゃんが正座していた。
「さっき覗きに行ってそれがバレて先生に怒られただけ」
ってさっきまでの覗かれてたの!?
「ほらお前らもさっさと風呂に入れ!」
「じゃあ3人で入ろっか」
「そうだね」
3人揃ってお風呂に行った。
お願いだから先生と二人きりにしないで!
「ティル……そのだなさっきはすまなかった」
「いえ、いいんですよ……酔っていたとはいえボクが悪いんですから……先生は悪くないですよ」
「だが……」
「じゃあボクの話を聞いて貰えますか?」
「ああそれならいいだろう」
「前にボクは病気だって言ったその続きです」
ボクの病気は細胞破壊症候群って言うもので掛かった人の細胞を連鎖的に破壊するものなんです。だから放置したらすぐに死んでしまう状態だったんですが、5年前に同じ病気になった人がいたんです。その人は薬の生産が間に合わず死んでしまったのですが……でもボクはそのおかげでこうして生きていられるんです。
そしてその薬の効果は細胞を意図的に破壊して連鎖を止めてその後に残った細胞を活性化させて人の形に戻す薬なんです。けど、ボクの場合は病気が進み過ぎたんです。だから体がここまで小さくなって、味覚も嗅覚もなくなったんです。
先生ならわかるでしょうが細胞には分裂できる回数が決まってます。つまりボクはもうそんなに長くは生きられないんです。だからお願いです。残った人生を幸せにしてくれませんか?
「ちょっといいか?」
「はい、なんですか?」
「それってあとどれくらいなんだ?」
「もって…………」
「マジか……」
「マジです……すいません先生……そろそろ彼女達が出てきますね。彼女達にはまだ内緒でお願いします」
「わかった」
3人組が出てきた……
「どうしたの? なんか暗くない?」
「それは先生に怒ってたからだよ」
「そうなんですか?」
ボクは先生にアイコンタクトを送る
「ああそうだ、ほらお前らはやく寝ろ! 勉強も大事だがそれよりも健康のほうが大事だ!」
「「「はーい」」」
「ねえ、ティルちゃんはパパの部屋じゃなくていいの?」
一体何を言ってるんだ……はやく寝よ……
ーー雪奈視点ーー
「ティルちゃん寝た? ……これは寝てるな」
じゃあ先生が寝たら……
明日のティルちゃん達の反応が楽しみだ……
ちなみにガン細胞には分裂するのに回数制限がないそうです。つまりガン細胞は無限に溢れ出るってことですね。気をつけよ……




