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ボクが紡いだ物語  作者: 名月ふゆき
第2章 G1期
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第22話 吉川くんとティナの未来


「そうだな……いずれにしてもティナさんが酷い目に合うのは変わらないってことだな……」

 

 何故2回言った? さっきの吉川くんといい、ふざけてる暇はないんだよ!


「ティルどうするんだ?」


 吉川くんが聞いてきた。


「じゃあボクがあいつらを殺してしまえばいいんだね?」

「気持ちは分かるが、先生という立場上犯罪だけはさせられない」


 せっかくのボクの名案を切り捨てる先生。その時ティナが目を覚ました。


「ここは……」

「ティナ良かった……起きたばかりで悪いけどとりあえずこれ飲んで」


 そう言って渡したのは避妊薬ティナはまだ初潮はきてないけど、念のために飲ませる。


「……あのどちら様でしょうか?」

「え? なに言ってるのティナ……ボクはティナの双子の妹のティルだよ……」

「ごめんなさい……覚えてないの」


 え? 覚えてない? どういうこと?


「神戸とりあえず病院に運ぶぞ」

「そうですね。先生お願いしてもいいですか?」

「じゃあ車出してくるから親御さんに連絡を」

「わかりました」


~~病院~~


「検査の結果、記憶が混乱しているだけのようです。数日すれば思い出すでしょう。それ以外には特に異常はありませんので一応入院して貰いましょう」 

「そうですか。ありがとうございました」


 良かった記憶は戻るんだでもティナにとっては戻らない方がいいのかもしれない……このまま記憶が戻ったらティナは自殺しちゃうかも知れない早く手を打たないと……

 

「あの吉川くん、お願いがあるんだけど……」

「なんだい? 君の願いならなんでも聞いて上げるよ」

「ありがとう吉川くん、お願いって言うのはね……ティナを貰って欲しいんだ……」

「は?」


 それを聞いた吉川くんはなに言ってるんだこいつみたいな顔してる。だってあいつら殺したら駄目なんでしょ! だったら貰ってもらうしかないじゃん! ちなみにママと先生には話がついている。


「このまま行くと近いうちにティナの記憶が戻る。そしたらティナは……」

「自己嫌悪で……っていうことか、まあティナは今回の事件があろうとなかろうと貰うつもりで付き合ってたから別にいいよ」

「嫌じゃないの? ティナはもう汚されちゃったのに……それにボクとティナは……」


 ボクはティナとボクが元男であることを話した。


「確かに汚れたことは残念だし、元男だったのは驚いたけど、俺の愛はその程度で消えたりするようなものじゃないぜ」


 ありがとう吉川くん、いいや……


「武くん……」

「気にすることはねーよ、それで、俺はこのあとどうすればいい? その先も考えてるんだろ?」


 さすがだな……もうバレてたか。


「武くんにはこれからティナを連れて隣の県にある伊東研究所に行って貰い地元の中学校と高校に通って貰って大学は研究所の近くにある神戸大学に通って貰うつもり。そこはボクのお爺ちゃんの大学だからね。研究所は貴方の将来の職場にもなるからそのつもりでね」


 なんで俺の未来決められてるの!? って顔してるね……


「武くん将来の夢生物の遺伝子学者じゃなかったっけ?」

「そうだよ。確かに世界的にも有名な遺伝子の研究所に入らせて貰うのは夢だけどさ……そう言うのは自力で入るものだからさ援護とかはいいよ」

「さすがだね。でもボクは援護なんてしないよ? 大学受験の時に推薦させるだけだからね。あとは自力で頑張って貰うつもりだからね」

「そんなこと言っていいのか? それで俺が研究所に入れなかったらどうするよ?」


 そんなこと武くんの成績見てたらないと思うけどね。だって……全科目満点なんだから……なんで2週目のボクよりも点数高いのさ! まあ計算ミスしたボクがいけないんだけどね。え? 他の科目? もちろん満点だよ。今のボクは記憶力凄いんだから。


「大丈夫だよ。このまま行けば入れるし研究所に住むことになるから、わからなければ聞けばいいしね。こっちのことはこっちでやっておくから、そう言う訳でティナをよろしくね」

「ああ。任せろ」

 

 翌日武くんはティナを連れて研究所に行った。

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