第17話 倒れた先輩とティナにアレ
~~保健室~~
「先輩大丈夫ですか?」
「ティルちゃん……あんな完璧なポーカーフェイスでこの私を騙したわね……」
別に騙してはないんだけどな……
「すいません……実はボクには味覚がないんです……」
「それは……悪いこと言っちゃったわね。ごめんなさい」
「別に気にしなくてもいいですよ……でも他の人には内緒にしてくれると嬉しいです……」
「そう……わかった。じゃあこの話は終わりね」
「それで先輩……雪奈お姉ちゃんの料理は……」
「あれはなかなかヤバかったわ……なんかこの世の終わりみたいな」
なにそれ!? 見た目あんなに良かったのにそんな味なの!? ボク味覚なくて良かった……でもちょっと気になる。
「さてそろそろ戻らないと雪奈ちゃん心配しちゃうから早く戻るよ」
「そうですね……」
~~家庭科室~~
「ただいま!」
「先輩大丈夫でしたか?」
「大丈夫だったよ雪奈お姉ちゃん。ただの貧血だって」
「なら良かった。私の料理食べた直後だったから私のせいで倒れたのかと思っちゃたよ……」
実際は雪奈お姉ちゃんの料理で倒れたんだけどね……
「さあ今日はもう遅いし帰ろうか」
「そうですね」
明日からは授業が始まるのか…もうわかってることだからな……寝てたいけどボクの席教卓の前の席の隣なんだよな……
「じゃあねティルちゃんまた明日」
「雪奈お姉ちゃんもまた明日ね」
「ただいま」
って言っても誰も居ないんだよね……ティナ文化祭委員にさせられたって言ってたし、忙しいのかな? 今のうちに作らないと……
1週間後の同時刻……
「「ただいま」」
「おかえりなさいご飯できてるよ」
「ねえティル、学校も部活もあるし、ティルが料理作る日を火木日に減らして残りは私とティナが作ることにするけどいいよね?」
「いいけど、なんでティナ?」
「それがね、さっきティナが男の人と一緒に楽しそーに会話してたからよ。ほらこれ写真」
へーあのティナが男の人と一緒にね……
え? 男の人? それに料理を作るって?
「ママどういうこと!?」
「ティナもそういう歳になったってことよ」
「え! 嘘でしょ! あのティナが!?」
「そんな訳ないだろ……ただの友達だって」
「え? でも……」
「ティナそういうのはいいから素直に言っちゃいなよ」
これは……その男の人を調査しないと……ティナが変な人と付き合うなんてごめんだからね。それにティナももう女の子だしね。でもどうやって調査しようか……やっぱりこういう時って……
「ティル! ただの友達だから気にするな!」
「無駄よティナ、こうなったティルには無意味よ」
「…………」
よし、さっそく明日尾行しよう。




